42. ページ43
答えを聞いたAは貰った薔薇を見る。
『ふふっ、あはは! ベタでロマンチックな所は”変わらない”のね』
「…? 何の事?」
『ううん、こっちの話』
「Aは何で9本?」
『9月9日生まれだから』
「え? それ理由?」
『そうよ』
グラスに残った酒を一気に飲み干し、若干頬を赤くしながらAは頬杖を付きながら銀八の方を見やる。
「9本の薔薇は”いつも貴方を想っています”」
「”いつまでも一緒に居てください”ですね」
男の説明に二人は黙る。
バーテンダーはそれでも話を進めた。
「全部合わせて108本」
「… ”結婚してください” になります」
「偶然なら運命ですね」
二人の空いたグラスを手に奥へと引っ込む男にAも銀八もボーッとそれを見送ったがゆっくりと顔を向け合った。
「…偶然?」
『運命だって』
「ははっ、Aって本当に」
薔薇みたいな女だ。
---
36人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アカツキ | 作成日時:2024年1月14日 0時