41. ページ42
「『乾杯』」
酒の注がれたグラスを小さく当て合い口を付ける。
料理を適当に頼み食べ進めながら、途中、バーテンダーも話に加わり3人でくだらない話をした。
「薔薇の本数に意味があるのは知っていますか?」
バーテンダーによって唐突に切り出された話の内容に銀八とAは顔を見合わせる。
『そうなの?』
Aはそれを知らないようで銀八の方を見て聞く。
「……」
銀八は言いにくそうにAから顔を背け、代わりにバーテンの男を軽く睨む。
「坂田様の薔薇の花束、何本ですか?」
それでもお構い無しにニコニコとそう尋ねる男。
『んー…? 大きいけど、ざっと見100本とか?』
「100本なら”100%の愛”です」
『へぇ!』
二人で盛り上がる会話に銀八は「99」と割り込む。
その言葉に二人は会話をやめた。
「…99本だよ」
『…意味は?』
「言ったじゃん」
『…?』
言ったと言われてもこの間にした会話はたくさんある。
Aは記憶を辿ったが一体”どれ”がそうなのか分からなかった。
「答えお教えしましょうか?」
『是非』
バーテンダーは銀八に一度目配せをし、口を開いた。
「”ずっと好きです”」
Aはハッとする。
「永遠の愛を意味します」
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作者名：ｱｶﾂｷ
| 作成日時：2024年1月14日 0時
