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「なぁ、俺たちの出会いって覚えてる?」
 





夕食時、銀八からの唐突な質問にAは固まり、口に運ぼうとしていた食べ物を箸から零した。
 
 





「うわっ、ちょ、」

『何突然?』

「いや〜、何となくさ昔の事思い出して」

『覚えてるよ、忘れるわけ無いでしょ?』

 
 




皿へと落としてしまった食事を再び箸で掬い上げ口へと入れた。
 
 





『銀八は目立つからね』
 
 
 





良い意味で、と付け足す彼女はクスクスと笑う。
そう言う割にそんなに此方に興味を示していなかったようにも思うが。
 
 






『私、そこまで友達居なかったし、貴方が声を掛けてくれて嬉しかったの』

「そうなの?」

『そうだよ』

 
 





初耳だ。
 







「なら勇気出して声掛けて良かったわ」

『勇気なんて、大袈裟ね』

「いやいやまじで」

 
 






Aの言葉が嬉しく、気恥ずかしくもあったのでそんな事を言って誤魔化す。
まぁ、嘘でも無いし問題無いだろう。
 







『今日の銀八は少し変ね』
 
 







Aは 小さく笑いながら食べ終わった食器を重ね纏める。
 



その様子に若干の違和感を覚えつつ、『ご馳走様でした』と手を合わせる彼女を見ていることしか出来なかった。

 
 








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作者名:アカツキ | 作成日時:2024年1月14日 0時

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