【銀魂】9.9 (ページ21)

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20. ページ21

　

　
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大学の時代。
　

「はぁはぁっ、セーフ」

　
　

講義ギリギリに教室に滑り込む銀八は息を切らしていた。

既に席に座っている受講生達の視線が集まり、居た堪れない気持ちになる。
　
　
　

「坂田銀八…だね? 座りなさい」

「は、はい...」
　
　

教授は一瞬目線を向けそう聞くと出席簿にチェックを付けた。

　

受講席はかなり埋まっている中、窓際に座る一人女に目がいった。
艶のある黒髪ロングのストレート。
垂れ下がったその髪を耳に掛ける仕草をした時見えた瞳は吸い込まれてしまいそうな深紅色をしている。
　

幸運にも、彼女の隣は空席で、銀八は真っ直ぐ其方へ向かった。
　
　

『......』
　

「......」
　
　

荷物を机に置くと彼女は銀八の方を一度見て、また直ぐに目線を逸らした。
何か言おうにもタイミングを逃し声を掛けることはできなかったが、どうにも、一目見た時から目が離せなかった。
　
　

「(あー…"何か"きっかけがあればなぁ...)」
　
　

柄にもなく、そんなことを思う。
教壇の上に立つ教授の声がやけに耳に残った。
　
　

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