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「…疲れた…」
『お疲れ様』
Aと共に家に戻った銀八はげっそりしていて4、5歳は老けて見えた。
『先にお風呂入って良いよ、埃っぽいでしょ?』
「もう沸かしてあんの?」
『少し前にね、一度家に戻って準備したの』
「流石、天才」
『褒めても何も出ないわよ、ほら、夕飯作るからゆっくり入って来て』
彼女に背を押され、そのまま浴室へと向かう。
湯船の蓋を開けるとそこには確かに湯が張ってあり、一気に湯気が室内いっぱい立ち込めた。
シャワーのノズルを捻り、全身の砂埃を落とす。
「はぁ〜〜〜…最高〜〜〜」
丁度良い湯加減の風呂に肩まで浸かり、疲れが睡魔となって押し寄せる。
今にも寝落ちてしまいそうだったが、扉の向こうから『銀八ー?』と彼女の呼び掛ける声が聞こえて覚醒する。
『着替え、置いておくからね?』
「おー…」
『眠そうな声だけど、大丈夫? 寝落ちないでよ? 私じゃ運べないんだから』
「……」
そうは言われても、眠いものは眠い。
このままでは本当に寝落ちてしまいそうなので、仕方なしに風呂から出ようとした時だった。
『ちょっと本当に寝落ちてないよね?!』
ガチャッ!!
サバァ…ッ
『え』
「あ」
本気で心配したAが風呂場の扉を開け、そしてタイミング良く湯船から立ち上がった銀八。
二人はそれはそれは間抜けな声を出した。
「あー…Aちゃんも入る?」
『馬鹿!!』
壊れてしまいそうな程勢いよく閉められた扉。
Aの顔が赤かったのは熱気のせいでは無いだろう。
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作者名：ｱｶﾂｷ
| 作成日時：2024年1月14日 0時
