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今回の依頼は屋根瓦の修理らしい。
屋根から顔を覗かせる銀時と、奥で何やら作業しているであろう音が聞こえる。
「お前は危ねェから下に居ろよ」
『何か手伝えることは?』
「んー、応援、とか?」
巫山戯る銀時に、真面目に聞いてるAは少しつまらなそうに睨み返すがそんなのは彼にとっては痛くも痒くもない。
「暇なら俺の話し相手になってくだせェ」
真後ろから聞こえる声にビックリして振り返るAは見知った顔に『あ、』と声を出す。
「ちょっと、総一郎くん、其奴に変な事すんなよ?!」
「総悟でさァ、...やだな旦那、勿論依頼金は払いますぜ? ただ話を聞いてくれるだけで良いんでさァ」
「絶対ェ何か企んでるだろ!!」
ずっとサボってたからか、銀時の後ろには2つの影が現れ何やら鈍い音と共に「痛ェッ!!」と声が聞こえたが引き摺られて見えなくなった。
『話し相手なら依頼じゃなくても受けますよ?』
『えっと...総一郎くん? 総悟くん?』
「総悟であってまさァ」
「一番隊隊長・沖田総悟、宜しく御願いしやす」
ニッ、と笑う沖田が一番隊隊長と言う肩書きにはあまりに年相応の幼気な笑みを見せるもんだから、Aは思わず釣られる様に笑顔を見せた。
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「へぇ〜、じゃ田舎で寺子屋の先生を?」
『はい、今は子供たちも大きくなって落ち着いたので、休業中なんです』
縁側でお茶を啜りながら何気ない話に盛り上がる。
沖田もまた気さくなAの対応にこの時間が楽しくなっていた。
気付けばAの事を「姐さん」と呼び慕い始めている。
「姐さんも攘夷戦争に参加してたんですかィ?」
『え?』
「隠さねェでも、旦那が"白夜叉"なのは知ってますぜ?」
『...私は剣術は全く...... 治療とかそっち方面でしか関わっていません』
「意外ですね、てっきり強いのかと」
困ったように笑うAに沖田は本気で驚いているのか大きな目を更に大きく開いていた。
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アカツキ(プロフ) - 〇〇さん» 初めまして、コメント有難うございます。そのように言って頂けて嬉しいです。パスワードの件ですが、現在全ての作品に置いて鍵の掛かっている作品は非公開とさせて頂いています。公開の予定もパスワードをお教えする事も出来ません。申し訳ありません (4月14日 9時) (レス) id: 7588857b81 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - すごくよかったです 読んでてドキドキしてなんかもう最高でした!! あの質問なんですけどパスワードがかかってる小説あるじゃないですか、その、パスワードって教えていただけますか? (4月14日 7時) (レス) @page44 id: 6c4944cbd5 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 蘆花さん» 初めまして、コメント有難うございます。既に完結の目処も立っておりますので最後まで楽しんで下さると嬉しいです (2023年3月28日 12時) (レス) id: 59cea801ed (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - やだステキ応援してます! (2023年3月28日 12時) (レス) @page11 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 東雲さん» コメントありがとうございます。出会いについてはこれから少しだけ書けたらなと思っておりますので楽しみにして下さると嬉しいです (2023年3月27日 19時) (レス) id: 61673d253f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年3月25日 20時