【銀魂】後にも先にも君だけ

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『銀時!! 起きて!!』

「んー...あと10分、いや、5分」

『今日は依頼があるんでしょう?』






現実逃避するように頭まで布団を被る銀時はそのまま丸くなり布団にくるまっている。


　




「Aさん、置いていきましょう」



「そうヨ、さっさと行かないと煩く言われるアル」




　


Aにとっては初めての依頼(の手伝い)。
彼女としても遅刻はしたくない。


　




『依頼主って...』


「"真選組"ですよ」


「銀ちゃんは"税金泥棒"って言ってるネ」



　



そんな話をしていたが時計の針はいよいよ遅刻ギリギリを指している。


　






「あぁぁぁ!! もう行かないと!!」


　






バタバタと玄関に向かう2人に、Aはもう一度銀時へ声を掛ける。


　




『本当にもう行くからね!! 起きたらちゃんと来るんだよ!!』




　



『真選組にね!!』と言うと銀時はバッと勢いよく上体を起こす。
思ってもみない反応に驚くも、驚いているのは銀時も同じだった。



　




「真選組っておま!! あんな男所帯のむさ苦しい所に行く気か?!」
「危ねぇって!! 駄目です!!」



『何を言い出すかと思ったら...仕事で行くんだよ?』
『銀時もスクーターで来れば間に合うからね?!』


　





『じゃ!!』と言い残すとAもまた新八と神楽の後を追うように走っていった。




　





「なら送ってくから!! 後ろに乗れって!!」
「ちょ、Aちゃーーーん?!」









銀時の伸ばした手は虚しく、空を掴んだ。










　

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