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カラカラカラ、と玄関の戸を引いた。
「たでぇま〜」
『お邪魔します...』
「おい」
『ぇ、何…?』
「違ェだろ」
『......? あっ......、「ただいま」…?』
じっと怪訝そうな顔でAを見る銀時だったが、彼女がそう言い直すと直ぐに満足そうに口角を上げた。
「おかえりなさい、それと初めまして」
「お帰りヨ〜」
奥から新八と神楽がひょっこり顔を出し出迎える。
それを見るとAは慌てて頭を下げて『初めまして...!!』と声を出す。
『これ、あの、お口に合えば...』
『銀時と一緒に選んだので』
ズイ、と。
まだ玄関先で、それも靴も脱がないまま。
Aは2人に手土産を差し出した。
新八も神楽も顔を見合わせ、Aの手首を掴み引っ張る。
「良いから早く上がるヨロシ!!」
「そうですよ、今からお茶淹れますね」
思っても見なかった待遇に、彼女は顔を上げ銀時の方を見る。
彼は「な? 大丈夫だったろ?」とでも言いた気な顔をした後、靴を脱いでさっさと奥へと行ってしまった。
Aもまた靴を脱ぎ、隣に脱ぎ捨てられた銀時の靴と一緒に踵を揃えて家の奥へと向かう。
『改めまして、坂田Aです』
「こっちが神楽で、こっちは眼鏡な」
銀時の雑な紹介に「ちょっとォォォ!!」とお決まりのツッコミを入れるも『新八くん、ですよね?』とちゃんと認識されていることに驚き目を見開いた。
こんなちゃんとした人が銀時の奥さんなんて...、今日はエイプリールフールか何かだっただろうか。
またしても上司である彼に対して失礼なことを考えているであろう新八と神楽に、銀時は「おい、何考えてんのか想像つくからな」と口に出される前に釘を刺した。
「ところでAさんはどうして銀さんと別居を?」
「愛想尽かしてるアルカ?」
「お前ら本当にデリカシーが無ェな! 言っとくけど、Aは俺にメロメロだかんね?!」
「冗談はその頭だけにするヨロシ」
「メロメロなのは銀さんの方では?」
三人の怒涛の会話にもAはニコニコしながら見守っている。
終いには、銀時に「お前からも何か言えよ」と言われて三人の視線が一気にAの方へ集まる。
『あ、えーっと...』
『順番に話しますね』
降参ポーズの如く、彼女は両手を上げ困った顔で笑った。
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アカツキ(プロフ) - 〇〇さん» 初めまして、コメント有難うございます。そのように言って頂けて嬉しいです。パスワードの件ですが、現在全ての作品に置いて鍵の掛かっている作品は非公開とさせて頂いています。公開の予定もパスワードをお教えする事も出来ません。申し訳ありません (4月14日 9時) (レス) id: 7588857b81 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - すごくよかったです 読んでてドキドキしてなんかもう最高でした!! あの質問なんですけどパスワードがかかってる小説あるじゃないですか、その、パスワードって教えていただけますか? (4月14日 7時) (レス) @page44 id: 6c4944cbd5 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 蘆花さん» 初めまして、コメント有難うございます。既に完結の目処も立っておりますので最後まで楽しんで下さると嬉しいです (2023年3月28日 12時) (レス) id: 59cea801ed (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - やだステキ応援してます! (2023年3月28日 12時) (レス) @page11 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 東雲さん» コメントありがとうございます。出会いについてはこれから少しだけ書けたらなと思っておりますので楽しみにして下さると嬉しいです (2023年3月27日 19時) (レス) id: 61673d253f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年3月25日 20時