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早くこの場を去らなければ。
しかしそれは彼の手によって阻止された。
「おい…ッ、ちょっと待て、やっぱりまだ本調子じゃないんじゃねぇか?」
掴まれた手首がジンジンと熱い。
「顔色悪いぞ」
指定されて初めて自覚する。
『ぁ…』
今迄にない吐き気と目眩、言葉にしようにも上手く伝えられないそれは肚の底から湧き上がる害毒でしかない。
Aは慌ててその手を振り解き、口元を抑えて走り出した。
『(やだ、嫌だ、知られたくない)』
『お"ぇ…っ、』
ひらり、
それでも花は彼女の意に反して舞い散った。
.
.
.
振り払われた手を驚いた顔をして見ていた土方だったが直ぐに走り去って行くAの後ろ姿を視界に納めた。
「土方さん? どうしたんでィ」
見回りを同行していた沖田が声を投げ掛ける。
「総悟、救急車呼んどけ」
「は? あ、ちょっと土方さん?!」
沖田の方など目もくれず、簡潔にそう伝えると彼女の走って行った先へと土方も走り出した。
沖田はそんな彼の後を小走りで追い掛けながらも言われた通り119番通報するのだった。
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アカツキ(プロフ) - 美姫さん» コメント有難うございます。登場キャラの想いが交差してぐちゃぐちゃに絡まるような、そんなお話にしたかったのですが難しかったです... 最後まで読んでくださり有難うございました (2023年2月12日 10時) (レス) id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 切なくて切なくて、でもとても美しい作品で、涙が止まりませんでした。本当に最高の作品でした。ありがとうございました。 (2023年2月12日 7時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おひなさん» 初めまして。コメント有難うございます。土方さん落ちは久々だったのでこれで良いのか迷走しましたが、おひなさんの暖かい言葉に救われました (2023年2月9日 7時) (レス) @page49 id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 最っ高な作品をありがとうございました!終始涙腺崩壊でした!w (2023年2月9日 2時) (レス) @page49 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年12月27日 23時