episode 20 ページ21
冬獅郎side
『昔から好き』
何度も聞いた言葉だったのに
あれから、Aと話す機会も少なくなって
忘れていた…そうだ…
同じ村の住民からは「氷のようだ」と
怖がられていたこの髪と目。
あいつは、『綺麗だよ』『好きだよ』と
なんども言ってくれていた…
その笑顔になんども助けられて
その笑顔を護りたくて必死だった。
あの頃から俺はAの事が…
「俺も好きだ…」
『え?』
「笑顔も泣き顔も怒った顔も…全部」
『?聞こえないよ…』
首を傾げる姿が可愛い…
直接は言えなかったが、今の制服姿も似合いすぎてて
他のやつに見せたくないなんて思ってしまった。
本当に…Aにだけは振り回されてばっかだな…
「ばーか、何も言ってねぇよ…」
まだ、伝えられない…
俺がAに想いを伝える時は…
その時は
「俺の隣に…ずっと…」
俺だけのものにしたい…
Aを独り占めにしたい
なんて…言えねぇな…
夢主side
『冬獅郎?』
なんだろ…
何か言ってるみたいなんだけど
全く聞こえてこない…
冬「なんでもない…
ほら、Aが入手した情報の確認に向かうぞ」
『うん』
こういう時、冬獅郎は思っていることを言わない…
昔からそう…
大切なことは言葉にしてくれないと
『伝わらないんだから…ばか』
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作者名:ユメ | 作成日時:2022年12月9日 23時