譲れる席 ページ13
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あのデート以来、彼がお店に姿を見せることはなかった。
山田は完全に嫌われたと思い込んでいる。
連絡先も交換していなかったため八方塞がり。
それが、なんの因果か。
俺は街中でゆうとくんを見かけた。
大「…ゆうとくん」
中「…はい？」
大「突然すいません。……中島裕翔さんですよね」
中「そうですけど……貴方は？」
用意もなく咄嗟に話しかけたけど、山田の名前と俺との関係を話すと、近くのカフェへ誘われる。
大「単刀直入に聞きます。どうして山田の告白を断ったんですか？
貴方も……山田こと好きですよね？」
我ながら無礼な質問だ。
部外者に話す内容じゃない。それでも問い詰めてやる。
そう意気込んだ俺だったけれど、話している内に黙ることしか出来なくなった。
中「……私には寝たきりの母がいます。
他に身寄りはなく、私が働きながら介護をしています。
もし山田くんと付き合っても、優先順位は母になる。
満足に会うことも話すこともできない。そんな男に縛り付けたくないんです」
大「……」
中「カフェで山田くんと話す一時は、常に気を張っていた私が唯一安らげる至福の時間でした」
……………悔しいけど、こいつは本物………
ちゃんと山田の幸せを考えてくれている。
この話を俺だけが聞いて二人がこのまま離れるのは絶対に阻止しなくては。
大「その話、山田にもしてあげてくれませんか？」
中「このまま忘れてもらった方が………」
大「お願いします！
あいつ、嫌われたってすごく落ち込んでて……変わらずバイトには行ってるみたいですけど、会う度に痩せてるんです。
きっとろくに食事も睡眠もとってないから」
中「………俺のせいで……」
“正直、向き合うことに逃げていた”と話す彼。
俺は了承を得て、山田を電話で呼び出した。
“中島裕翔が話したがってる”と伝えると驚きながらも少しだけ声に元気が戻る。
数十分後、息を切らして店のベルを鳴らした山田。
自分が座っていた席を空けて、あとは二人で。と俺は店を出た。
大丈夫。上手くいく。
そして、一時間くらいして二人は仲良く店から出てきた。
帰るのもなんだし、外で待っていた俺に気付いて、ぺこり。
中「では、また」
涼「うん、待ってるね」
ほら、上手くいったみたいだ。
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ciaociao(プロフ) - 夢莉さん» ああ、、よかったです！安心して読めます、、 (2021年8月16日 19時) (
レス) id: bf965fb6b3 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - ciaociaoさん» 楽しみの一つにしていただけて光栄です。ありがとうございます…！私自身、ハッピーエンド主義なので…見守っていただけたら嬉しいです！ (2021年8月13日 20時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
ciaociao(プロフ) - 続きが楽しみで楽しみで、日々の楽しみが増えてうれしいのですが、「報われないarさんのお話」とあるのが大変気になります。わたしは基本ハッピーエンドが好みなので、是非arさんとハッピーエンドをお願いしたいです。まだ始まったばかりなのにすみません、、 (2021年8月12日 20時) (レス) id: bf965fb6b3 (このIDを非表示/違反報告)
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