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目玉焼きが2つ出来上がったところで
廊下からすたすたと足音が聞こえた。
扉が開けば、まだ顔が寝惚けている将人くんが出てきた。
「……はよ」
「おはよう、将人くん。まだ寝ててもよかったのに」
「……起きたら隣に居なくて、何処に行ったのかと思ったんだよ…」
将人くんと同棲を始めて約3年
大学はお互い進路も違ったから別の大学だったけど
時間が合えばデートして、
休みの日には将人くんの家に行ったり、私の家に行ったり
気が付けば大学を卒業する頃には自然と同棲する流れになっていた。
2人で決めたアパートの一室
お互いの職場からも通いやすい場所にしたから
少しだけ間取りが小さいけれど
将人くんは「Aとくっつける理由ができて良い」なんて
彼の性格に対して似合わない事を言っていた
(将人くんは割と2人の時は甘えたさんである、ということは付き合ってから知ったのだけれど)
「月曜だからね、早起きしなきゃ」
「…何時もありがとうな」
「将人くんこそ、忙しいのに家事手伝ってくれるでしょ?
こちらこそありがとうだよ」
「……………………」
焼けた目玉焼きをお皿に載せて
はいって将人くんに渡したけど、将人くんはお皿を両手に持ったまま
じっとこっちを見つめる
「………………?
朝ごはんできたよ?」
私より高いところにあるその顔が
段々近づいてくるなあと認識する頃には
将人くんの少し渇いた唇が私の唇に触れていた。
「?!!?!!!?」
「朝ごはん早く食べないと会社に遅刻するぞ」
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作者名:m | 作成日時:2019年8月19日 19時