無口な彼女_9 [hiromitsu.k]

Chapter395 ページ14

A「・・・宏光くん」









宏光「ん？」









A「結果とは別に

最初に話したい事があります」









A「でも、、、

ちょっと、、、いや

何というかとっても照れくさいので

これ、やりながらでいいですか？」









線香花火を手に取って
そう訪ねた









宏光「何？

その次回予告(笑)」









A「私も言ってて

余計に恥ずかしいなって思います(笑)」








その照れくささも一旦
落ち着かせる為に
とりあえず座ろうかってなって


花火用の
キャンドルを前に


ベランダに置かれた
椅子を隣同士に並べて座って
暖かくなった手で持った線香花火









１本目は
久しぶりの線香花火の火種を
どっちが先に落とすかなんて
ベタな流れで楽しんで









前かがみになって
２本目の線香花火に
火をつけようとする
宏光くんの背中に









A「さっきの・・・

続きなんですけど、、、」









A「私・・・」









A「その・・・何というか

初めて、、、そういう事した日に

宏光くんに言いかけて

言えずに終わってた事があって」









振り返った宏光くん









宏光「・・・初めて？」









宏光くんの頭の中に
【初めて】のキーワードで
どんなシーンが蘇ってるのかと思うと
今すぐ顔を背けたくなる程恥ずかしい









宏光「あー・・・そうだよっ

あの時、言いかけて止まって

Aが部屋から出てって

その後も結局、聞けずじまい

だったんだよな」









A「・・・なので

今日は、それを

ちゃんと伝えたくて・・・」









宏光「・・・なるほど」









A「ただ、こういう事を

あえて口に出すのが正しい事なのか

わからないので

もし、変だったら教えて下さい」









宏光「そういう事は

気にしなくていいから何でも言ってよ」









頷いて









A「では・・・今から

私が宏光くんを

好きな理由を言います」









宏光「マジで(笑)？

そう来たかー」









A「あ、やっぱり変ですよね」









宏光「いやいや、違う違う

変とかじゃなくて

ちょっと想像を越えてきたから

思わず反応しちゃっただけ」









宏光「・・・だから

ちゃんと聞かせて

・・・いや、ちゃんと聞きたいです」









パチパチとまだ
勢いよく火花を散らしていた
線香花火がバケツの中に
落とされると急に静けさが広がった

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