オレンジ色の空に恋して

オレンジ色の空に恋して2 ページ2

【yuta side】







実家に着いて








犬と戯れながら
何て切り出すかそればかり考えてた









Aとの繋がりが消えてからは
自然とそのまわりの友達との
繋がりも消えていた俺にとって
母親だけが唯一
手掛かりを知ってそうな人









裕太「・・・さっき来る時

Aの母ちゃん見かけたんだけどさ

今でも連絡って取ってんの？」









なんて嘘から始める









『あー・・・うん

そうだね、昔ほどではないけど

ご近所さんだし

会えば軽く話したりはするかな』









裕太「そっか・・・

Aってさ

今どこにいんの？」









『どこって、ニューヨークじゃない』









裕太「そう、、、だよね」









『めずらしいね裕が

Aちゃんの話するの』









裕太「なんか・・・ふと

どうしてるかなって思ってさ

俺、もう連絡先も知らないから」









『そう・・・

元気でやってるみたいよ』









裕太「ね、A

結婚したんだよね？」









『・・・。』









裕太「・・・何で黙んの？」









『もういいのかな

・・・言っても』









裕太「何？

何か知ってるなら教えてよ」









『・・・実はね

結婚決まって

ニューヨーク行くってなったじゃない？」









『でもそれからすぐに

ダメになちゃったんだって・・・』


　
　

　
　







『結婚』








裕太「は？何だよそれ

どうして？」









『相手の人のご両親が経営されてた会社がね

資金繰りがどうとかで

急に合併することになって

その相手の会社のお嬢さんと

Aちゃんの相手の人が結婚するっていう

流れになっちゃったみたい』









『私もね

聞いた時びっくりしちゃった

だってそんなの

ドラマの中の話だと思ってたから

でもわりとよくあるみたいよ

そういうこと』









裕太「そういうことって・・・

っつーかいつから知ってたのその話」









『確か・・・結婚がダメになって

でもAちゃんはニューヨークに

行くって決めて・・・』









『ちょうど出発する

１週間くらい前だったかな

Aちゃんとママが挨拶に来てくれたの

お祝いとかも渡してたから

もちろんそれはすぐに

Aちゃんのママが

返してくれてたんだけど

直接お詫びも兼ねてって』









裕太「１週間前って

何で俺に言わねーの？」

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