プリンセスな彼女[takashi.n]

chapter02 ページ3

でも新しいお家は
それはそれは夢のようで









今までは片付けても
弟にぐっちゃぐちゃにされるから
隠していた









スイマーで買った雑貨達も









お誕生日に買ってもらった
カーリーコレクションのバッグも









永遠の憧れ
『シンデレラ』のポスターだって









壊されるかも・・・
破かれるかも・・
いたずら書きされるかも・・・
なんかの死骸を入れられるかも・・・
なんて心配する必要もなくなった









弟のわーわー騒いでる声を
聞くこともなくなった静かな夜









・・・いよいよ明日か









ベッドに入って見上げた天窓









満点の星空はもちろん
見えなかったけれど









月明かりが差し込むだけで
流れ星が見えるかもなんて
無性にドキドキワクワクして









流れてもいないのに









どうかクラスメイトが
いい人達でありますように









そんな願い事をして眠りについた









ただ現実はやっぱり甘くはなく









【転校生】という肩書を背負った
まだまだピュアでナイーブだった
幼い私に次に待ち構えていた試練









転校初日









前の日にペットの「ラブ」
(ラブラドールレトリバー♀３歳)相手に
何度も何度も練習した
自己紹介を完璧にクリアして








　


先生から指示された席まで
最初が肝心と
笑顔をたもちながら姿勢を正し









まっすぐ見つめる先には
たくさんの『希望』の文字
クラスメイト１人１人の
習字の作品がまるで
私への歓迎の挨拶に感じた









席に着くと









先生「ということでみんな

残りの１年も新しい仲間と一緒に

楽しく過ごしていきましょう

では、早速ですが・・・」




　
　
　
　
　
　
　





「う○このってるよ」









・・・？









風に乗って聞こえてきたささやき声









・・・幻聴かしら？









笑顔をたもったまま
先生の話に集中する









「ねえ？」









左側から聞こえる声は
さっきよりも少しだけ
大きくなった









引きつり笑顔のまま
声の方向に視線を向けると









「何で頭にう○こ乗っけてんの(笑)？」









「ぷっ(笑)」









吹き出したのは
さらにその後ろに座る男の子









おそらく、う○こというのは
朝、緊張をほぐす為に
ママが結ってくれた
特別な日のお団子ヘアの事









そして子供ながらに
すぐにピンと来た









・・・あぁこれ
関わっちゃいけない人達だ

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