3-09 ねぇさん… ページ9
イタチ「千絵、俺を信じろとは言わない。
…自分の信じたものを信じればいい」
そう言うと、抱きしめる力が一層強くなった。
イタチは千絵を胸に抱いたまま、以前よりも短くなった千絵の髪を梳いた。
イタチ「鬼鮫…後で話がある…」
そうポツリと告げた。
その声には狂気すら潜んでいそうで、流石の鬼鮫もゾッとする。
(今回はやり過ぎましたかねぇ。
まさか千絵さんが、本当にやるとは思いませんでしたし…)
.
その後は特に変わった事もなく(途中で鬼鮫とイタチが消えて、鬼鮫が戻ってきた時には何故か、顔に打撲後があったが)暁のアジトに戻ってきた。
イタチが懐から巻物を出し、ペインに渡す。
ペインは小南と共にその巻物に目を通すと、
ペイン「…成る程」
と、目を細めた。
小南「角都が出払っているから、戻るまでこの件は棚上げね」
ペイン「あの案件、最低でもひと月はかかるだろう。
イタチ、鬼鮫、千絵。
それまでは、いつも通りに行動しろ」
イタチ「承知した」
鬼鮫「同じく」
千絵「?」
意味が分からず首を傾げていると、小南が近づいて来た。
小南「千絵…っ似合ってるわ、可愛い」
千絵「…肩が震えてるように見えるのは、私の気の所為か?」
小南「ふ、ごめんなさい。
今回イタチが経つ前に、千絵が暁の装束を欲しがっていたから頼む、と突然言うものだから慌てて調達したの」
それを聞いてイタチを見ると、照れているのか視線を逸らしていた。
小南「すぐサイズ直しするわね。
でもその前に…」
ザンバラになった髪を手に取り、眉間にシワを寄せる。
小南「どうしたの。
今回の任務でこんな事にはならないでしょう」
イタチ「それは俺が」
千絵「こ…子供に会った時に、怖がられてしまって。
良い機会だと思って刀で切ったのだが…いやはや、自分で切るのは難しいんだな」
イタチ「…」
小南「…そう、色々あったのね。
いいわ、切り揃えてあげる」
そう言って私の手を引いた。
(あ…温かい手だ)
.
小南「どうかしら。
まぁ元々膝くらいの長さがあったから、丁度いいわ。
…この紐はどうする?
結ぶの?」
千絵「あ、頼みます。
イタチに貰ったやつだから」
小南「…本当にイタチが好きなのね。
羨ましい」
微笑みながら、腰の位置で結んでくれた。
千絵「小南ねぇさんは、そう言う人いないのか?」
小南「……」
返事がないので振り向くと、驚いた顔をしていた。
小南「小南ねぇさん…」
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ユカ(プロフ) - 月夜 黒輝さん» ありがとうございます。亀ペースですが、頑張ります(^^) (2018年9月17日 18時) (レス) id: ceb43f3a9d (このIDを非表示/違反報告)
月夜 黒輝 - 凄いです!面白かったのでこれからも頑張って下さい!(`・ ω・´)ゞビシッ!! (2018年9月15日 12時) (レス) id: 9616d08dd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユカ | 作成日時:2017年7月27日 0時