3-04 メガネっ娘 ページ4
仕方なく、里の裏手で一人膝を抱えてポツーン……。
自然と口が尖り、不貞腐れる。
千絵「なぁ、さっちゃん。
私ってやっぱり役立たずか?
さっちゃん達いないと攻撃も防御も出来ないし、頼りっぱなしだし(グズグズ)」
さっちゃんが私の背の方からズルッと首(体?)を伸ばし、私の正面にその大きな顔を近づける。
私の体よりも大きな瞳孔が、優しく見つめる。
サチ『形の無かったワタクシ達を千絵様が判然たるものに出来たのは、イタチ様を護りたいという一心で精神を鍛錬された結果です』
イチ『オレ話せる、千絵のお陰、嬉しい』
そう言って、さっちゃんと反対側からいっちゃんが現れ、大きな顔を私にすり寄せる。
サチ『ワタクシ達と千絵様は、その名の通り一心同体。
千絵様の心が弱まれば、ワタクシ達は本来の力を発揮できません。
ワタクシ達に力があるのは、千絵様が強いからです。
決して過小評価されませんよう…』
その時、里の中から女の子の鳴き声が聞こえてきた。
サチ『…如何されますか』
千絵「そりゃ(行くだろ)」
阿吽の呼吸とは、恐らくこの事。
言葉を言い終える前に、私はさっちゃんによって塀の上に押し上げられ、そのまま里の中に着地した。
辺りを見回すと、メガネをした赤い髪の女の子がベソをかきながら、こちらに向かって歩いてくる。
どうやら私には気付いていないようだ。
涙を拭っている女の子の腕を見れば、服から出ている部分…腕や足に複数の歯型が付いていた。
(おいおい、あれって人の歯型だよな。
児童虐待の里か?草隠れってトコは)
イラッ
千絵「…おい、誰にやられた。
私が成敗してやるぞ?」
突然目の前に現れた、全身黒づくめ(しかも顔は面で、装束はブカブカ)の怪しい私に、その子は思い切り怯えて腰を抜かす。
?「あ、あんた誰…。
あんたもウチのチャクラを吸い取る気?」
ふぅと息を吐き、手を腰に当てて思案する。
成敗してやると言っているのに、こちらの声が届いていない。
…自分以外を敵だと思って怯えている。
(いや、この姿にか…?)
その子の前に膝をつき、目線を合わせる。
(ああ、精神的に参ってる目だな。
まぁ人に噛まれていれば、そうもなるか)
千絵「その傷はなんだ。
お前、虐待でも受けているのか」
?「…お母さんが死んだから、ウチが代わりに皆の傷を治してる」
千絵「治すのになんで歯型が付くんだ?」
?「ウチに噛み付くと、傷が治るから」
千絵「…は?」
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ユカ(プロフ) - 月夜 黒輝さん» ありがとうございます。亀ペースですが、頑張ります(^^) (2018年9月17日 18時) (レス) id: ceb43f3a9d (このIDを非表示/違反報告)
月夜 黒輝 - 凄いです!面白かったのでこれからも頑張って下さい!(`・ ω・´)ゞビシッ!! (2018年9月15日 12時) (レス) id: 9616d08dd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユカ | 作成日時:2017年7月27日 0時