3-18 あなたのお名前なんてーの ページ18
「取り敢えず新入り。
当面の間、私語禁止。
理由はトラブル回避。
オーケー？」
ビシッと指を指すと、はぁ…と溜息をつきそうな表情でポツリと呟く。
『…地獄』
「何でだよ。
話してないと死んじゃうわけ？
あんたマグロか何かかよ』
『どっちかっていうと、俺は後ろから攻め…』
「やめんかぃ！」
その頭をはたき倒そうとするが、あっさりと躱されて空を切った。
空を切った拳を握りしめてキッと睨みつけるが、口笛でも吹くような態度を見せる新入りに苛立ちは増した。
「新入りのその下品な発想はどこから来るんだ！
いっちゃんの教育上よろしくないし、私も一々突っ込むのは疲れるんだ。
てか、私に突っ込みを期待するな！」
『あのさ、俺二番目だから'にいちゃん'とか、そんな感じの可愛い名前が欲しいな。
後輩だけど』
「人の話を聞け！」
その間も'ニッチェ'とか'セカンドからのせんちゃん'とかも捨て難いとほざいていたが、取り敢えず'ニッチェ'だけは阻止した。
「もー名前なんて何でもいいよ。
つか、えろ魔人でいいよ。
ぴったりじゃん。
すぐに誰の事か分かるよ」
『あ、そお？
なんなら大魔神でもいいよ。
ほらデカいじゃん？
どこって、ほらアソ…』
「だぁー！ハイハイ！
えろね、えろ。
はい決定！このネタ終わり！」
こんなネタに無駄な時間は費やしたくない…いや、もうかなり費やしたけど。
胸の前で両腕を交差し、ばってんを作って抗議を受け付けない旨を示したが…
『何それ、俺にピッタシじゃね！？
俺英雄！
千絵ちゃん大好き！』
何の事かと首を傾げ、はっと思い当たる。
そうだ、この子達は私から生まれてるから、私の知識を共有している訳だ。
そしてフランス語で'えろ'は【英雄】
(一番縁遠いクセに)
「…はい、えっちゃんねー。
可愛いぞ、良かったな！
名前も決まったし、お役目ご苦労ー。
はいみんなサヨナラ！」
『何それ横暴だー！
俺はえろだー………！！』
いかがわしい言葉を叫びながら消えていく新入りえっちゃん。
もう呼び出すまい、と心に決めた頃、部屋の襖が開いた。
「何かあったんですか？
宿の人間が皆倒れていますが」
入ってきた鬼鮫の言葉に、思わずイタチと顔を見合わせる。
それを見た鬼鮫は、ほうほう…と目を細めた。
「周りを巻き込むほどの激しいモノは頂けませんねぇ」
「鬼鮫もか？！
下ネタしかないのかっ、男どもの頭の中は！」
ぬおおおう、と頭を抱えてしゃがみ込んだ。
続く (更新停止中)
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ユカ(プロフ) - 月夜 黒輝さん» ありがとうございます。亀ペースですが、頑張ります(^^) (2018年9月17日 18時) (
レス) id: ceb43f3a9d (このIDを非表示/違反報告)
月夜 黒輝 - 凄いです！面白かったのでこれからも頑張って下さい！(`･ ω･´)ゞﾋﾞｼｯ!! (2018年9月15日 12時) (レス) id: 9616d08dd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユカ | 作成日時：2017年7月27日 0時
