アラニュエの森 (ページ12)

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サトは机の上に皿を並べて、どこからか椅子を持ってきた。

机も大きくなっているような気がする。

「サク、マツ、ニノ。好きなところ座っていいよ」

サトに言われ、戸惑いながら席に着く松本と二宮。

櫻井も、余った席から適当に選んで座った。

「あ、サトちゃん。今日ね、カケ先生の授業があったの」

ユキの頭を撫でながら、サトを振り返ったマサ。

「カケ先生？何かあったの？」
「うん。カケ先生って、調合薬学の講義を持ってるじゃん？」

それで、マサが何を言いたいのかサトは察したらしい。

苦い顔をして、さっさと席に着く。

二宮と松本は不思議そうな顔をしている。

二人が言う「学園」のことは、櫻井も知らない。

立ち上がったマサも、空いていた席に座った。

「学生が水魔法をうまく扱えないから、調合薬学も話にならないって文句言ってたよ。学生は悪くない、悪いのはサト先生だって」
「だよね」

はあ、とため息をついているところ、サトも大変らしい。

サトがご飯を食べ始めたのを見て、二宮と松本も食べ始める。

自分たちの惑星と同じように、サトは箸を使って食べていた。

「みんなもサトちゃんのこと悪く言ってたよ。開講するって言ってたのに、また急に休講にするから」
「うん、最初の授業はいろんなところから怒られそう……やだなあ、学園行きたくないなあ」

ご飯を片手に持ち、遠い目をしているサト。

「先生が学園に行きたくないって、初めて聞いたよ」

マサは肩をすくめて、ご飯を食べ始める。

「サトって、学校の先生なんですか？」

二宮が気になったのか、サトに問いかけた。

「ん？学校じゃなくて、学園だよ」

二宮を見たサト。

サトは不思議そうに首を傾げている。

「学園、ですか」
「そう。この辺りに住んでる子どもはみんな、学園に通うの。マサも学園の学生だよ。まあ、学校の方に通う子どももいるけど、少ないかな」

どうやら、学校というものも存在しているが、別物らしい。

「サトちゃんはね、学園でも結構偉い先生なんだよ。有名な先生なの」
「え、そうなの？」

初耳だ。

櫻井もさすがに驚く。

苦笑したサトは、黙ってスープを飲む。

「有名って、講義をサボるからでしょ」
「いや、それもあるけど。サトちゃん、すごい研究者じゃん」

研究者という単語に二宮と松本の耳が動いた。

やはり、その単語は皆気になるらしい。

「サト、研究者なの？」

松本の言葉に、不思議そうにサトはマサと顔を見合わせた。