9eme livre Mort de 3eme annee

Quatre-cent-un ページ18

「「「「ちょ…ちょっと待てーーーーー!!!!」」」」


反逆者側の檻から大きな声
それだけじゃない


というより



「は…？」

「幸平…？」


会場中がその前菜メニューに色んな意味で注目している


『…』



材料は確かにパテ・ド・カンパーニュだが、


「原始人だー!、アニメとかで原始人が食う肉だーー!!」

「形はともかく、どこからどう見てもメインで出す皿じゃないか!!!」



「幸平創真ーー!!
あのなぁ、前菜ってのはなぁ!」


竜胆も思わず口出しちゃってるし

確かに中身はミンチ肉のようだけど
外側には、さらに薄切り肉を巻き付け
光沢のあるタレがこれでもか、と言わんばかりに存在感を主張している



『醤油、ニンニク、ショウガ…組み合わせは焼肉のタレか？』

「Aさん、そう観察している場合ではありませんわ」

『ごめん、つい』



ともかくどう見ても前菜とは思えない量の皿

幸平君の武器は対応力と発想力
そしてそれらを具現化できる腕

今度もどんな皿をみせてくれるのか、と思っていたけれど



「へえーー？、何があ？

俺は薙切の言う通り
前菜メニュー、パテ・ド・カンパーニュ
作っただけだけど〜？」


「あの男…もしかして

司先輩が出したスペシャリテへの対抗意識で
完全に暴走してしまっている!?」




もしかして、
今回の場合だと、方向性がミスった？



『えー…』

「こんな大事な時に…やはりまだ学生というわけでしょうか…？」



とりあえずは実食してみようという話になって
審査員の薊さん達が骨の部分をつかむ


すると、


「表面を取り囲んでいるのは…
マリネした切り落とし牛肉

香ばしいのにフルーティーな肉汁で
瞬時に意識が持って行かれる!!


そして直ぐ下には。ベーコンスライス

パテ生地をしっかりホールドする役目も果たして
一口目からタンパク質のインパクトが体に響きわたるわー!!」





まさしく肉って感じのインパクトは凄い皿
デコラさん夢中だし

すると、幸平君も付け加える


「そのマリネ液のベースにしたのは
焼肉のタレっす

市販の焼肉ダレには香味野菜や醤油、みりんがバランスよく
調合されてますからね

ばっちり土台になってくれるんす!」


「そしてその奥にあるパテ生地…
これが何より絶品!

濃厚でありながら繊細
外側の香ばしい肉と合わさり
ガツンとした火花が口の中に炸裂します!!」




評価は上々
むしろ何なら司と竜胆のコースと同じ位に見える

けれど、


『コースの役割を、外れちゃダメだろ』

「えりなさんが大変になってしまいますわ」


これは、決まっちゃったかな？

Quatre-cent-deux→←Quatre-cent

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す