( △ ) 皇 帝 ページ10
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病院を退院し、久しぶりに学校へ向かうと、
僕が進級してから初めて学校に行った時のように、
靴箱でAちゃんとはちあった。
「 やあ、また会ったね、札槻Aちゃん 」
「 あ、この前ノ 」
どうモ、といい軽く会釈をしてくれるAちゃん。
その一つ一つの仕草がたまらなく可愛い…
僕だけのものにしたい……
「 …あノ、私の顔ニ何かついてまスカ？」
少し顔を歪めながらきいてくる。
君の歪む顔が堪らなく愛しく、僕の心をくすぐる。
そんな彼女に少し意地悪をしたくなる。
「 ふふ、可愛らしい顔立ちだね、」
30センチ以上も小さい彼女の顎に手をあて、
世に言う” 顎クイ ”というやつをやる。
後ずさる彼女の背中は壁とくっつき、逃げ場を失う。
「 ちョ……なにするンですカ 」
「 五奇人って知ってる…？」
「 ……それハ貴方が勝手に彼らヲそう呼んでルだけでショ 」
「 ふふ、そうだね……
でもこの学園中の誰もが彼らのことをそう呼ぶようになる。
そして僕は、彼らから大切なものを奪う予定なんだ 」
「 大切なもノ、…
彼らハ自分たちガ大切にしてるものヲ見失ったリしないヨ
例え、どんなことがあっても 」
語尾の歪みが消え、
真っ直ぐ僕を見つめるAちゃん。
掴んでいたままの顎に力を入れ、顔を僕の方に向かせる。
そして触れるだけの接吻をかわす。
「 ふふ、それは楽しみだ 」
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作者名：れ ゆ た | 作成日時：2016年9月1日 18時
