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「ぶっ殺すぞ、てめぇ!」
「おい、馬鹿!」
銃声が響いた。
弾は少女に当たることはなかったが、発砲した男は反動を諸に受けて、悲鳴を上げながら遠い空の彼方へと飛んでいった。
「命綱も付けてねぇのにチャカ
「早くあいつの命綱を切り離せ!」
少女は屋上へとたどり着いた。
このボンベ一本分の重力で、何日間持つのだろうか。重力が減っていっている影響で、少女の弟は頭に血が上り、鼻血が止まらなくなってしまった。このままでは宇宙に行って死ぬ前に、鼻血で失血死してしまう。
このボンベを、弟のもとに持って帰るのが少女の使命だった。
少女は先ほどまで付けていた命綱を外し、予め用意しておいた新たな命綱を腰にしっかりと結ぶ。
「切りました!」
ビルの下から男の声が聞こえた。恐らく男はこの綱を、少女を捕らえるためにガッチリと掴んでいることだろう──そう思った少女は先ほどまで結んでいた命綱をぐいと上に引っ張った。
「うわああああ!」
情けない大声を上げて、一人の男が上へ上へと上っていく。
少女と一瞬目があった。
少女は男のアホ面を見てふっ、と鼻で笑った。
男の顔はさらに歪み、そのまま叫び声は徐々に小さくなっていき、そのうち聞こえなくなった。
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綾木 麗(プロフ) - ぺぽんさん» うわーありがとうございますーー!!作品は二次創作が中心なのですが、気が向いたらまたこういったオリジナルも書いてみようと思います!お読みくださりありがとうございました!! (2022年12月25日 19時) (レス) id: 5a575a9999 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - こんにちは、とても面白かったです!先の展開が分からないのでドキドキしました✨麗さんの考える世界観が好きです!これからも頑張ってください😊 (2022年11月11日 18時) (レス) @page10 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
綾木 麗(プロフ) - 朱まぐさん» ありがとうございます!こういった形式の小説を公開するのは初めてだったので、そのようなお褒めの言葉をいただけて本当にありがたいです…!あと一話ほどで完結しますので、お待ちいただけたら嬉しいです👍 (2022年11月9日 16時) (レス) id: 5a575a9999 (このIDを非表示/違反報告)
朱まぐ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。お話とても面白かったです!文章も読みやすくて一気に読み進めてしまいました。序盤で出てきた使者と姉弟がどうなるのか気になります。無理せず作者様のペースで頑張ってください☺︎ (2022年11月8日 23時) (レス) @page8 id: d13cf71823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾木 麗 | 作成日時:2022年11月6日 0時