08 ページ8
自宅につき自室に戻る
なんだか今日は狐にでもつままれたような気分だ
あれほど行きたくないと思っていた気持ちもなかったことのように
今は何処かへ飛んでいて
頭の中の整理がついていない
ひとまずパソコンの電源を入れて編集作業に手をつける
まだなにも手をつけていなかった動画を流し見ながら今日のことを思い出す
思い出してみると自分のことばかり話していた気がする
それでもAさんは何も言わずに笑って頷いてくれていた
思い出せば思い出すほど頭の中の彼女が美化されてゆく
流しみていたつもりの動画も頭に全く入らない
もう一度気を取り直して動画をみる
集中して編集作業に入るといつのまにか遅くなっていたようで
帰宅したトミーが部屋をノックする
「ただいま、今日どうだった?」
「おかえり、いやなんか俺とんでもない勘違いしてたみたい」
帰ってきて俺の心配をしてくれたでだろうトミーにそう返すと
不思議そうな顔をしている
そりゃそうだ、俺だってまだ何がなんだかわかっていない
「なんだそりゃ、今大丈夫なら下で話そう」
「おう」
ひとまず編集仕掛けのデータを保存して下の階のリビングに移動する
ソファーに座って聞きたげな顔をしているトミーに今日あったことをありのまま話すと
トミーの表情は見る見るうちに豹変してゆく
「聞いても意味わかんねぇな
とりあえず取り越し苦労だったことは分かったけど」
「うん、正直俺も頭の整理ついてないんだけど
とりあえず約束通り一回会ったしこれでもう次会わなきゃいけないみたいなことはないかな」
「ふーん、でもお前その人とまた会いたいと思ってんじゃねえの?」
その言葉に頭を殴られたような衝撃が走る
そんなことは一言も言っていない
「え?そんなこと言ってなくない?」
「いや、今の話聞いてたらどう考えてもお前その人に好印象持ってんじゃん
別に次会わなきゃいけない約束はなくても
お前が会いたいと思うんならまた会ってくれば良いんじゃねぇの?」
「いや、そんなことないよ
それにそんな時間もったいないし」
「もったいない時間にするかどうかはお前次第だろ
どうこうなるとかじゃなくても会いたいと思うなら今日みたいにまた時間作ってあってくりゃ良いんじゃねぇの?
向こうもそう言ってくれてるならなおのことじゃね?」
たしかにそれはごもっともな意見だけれども
時間どうこう以前に俺自身が自分の持っている感情に全く気がついていなかったことに驚いた。
今日はいろいろありすぎる
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←07
31人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Lsr | 作成日時:2019年10月20日 4時