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計画性もなしに始めた割には順調に撮影を終えることができ安心する
あとは俺が編集してアップロードの準備を終えれば日曜は動画のことを考えずに
予定をこなすことができそうだ。

「おつかれ、急だったのにありがとな」

撮影を終えて定位置に戻ったトミーに声をかけると
スマホから目を離さないまま返事が返ってくる

「いいけどどこいってくるの?」

「姉貴から急に連絡きてさ、あって欲しい人がいるから日曜日時間作れって
こんなこと初めてだからファンかもしれないけど行ってみようかと思ってる」

「なるほどな、俺夜予定が入ってるから行けないけど一人で大丈夫か?」

「うん、大丈夫」

心配をかけて申し訳ないとは思いつつも
すっかり忘れていた返信を確認する

「はじめまして
お姉さまの以前勤めていた会社の後輩でお姉さまには大変お世話になっておりました
日曜日、よろしくお願いいたします
時間は何時ごろがよろしいでしょうか?
私は1日時間が空いているので、
寛太さんのご都合よろしい時間で待ち合わせましょう」

そういえば姉からはこの人がどんな人なのか全く聞いていなかった
文面を見る限り女性なのは明らかだけど
少なくとも俺と同世代なことは文面から見て取れる
深く関わるつもりはないにしてもある程度の常識はありそうだ
ファンにしてはなんとも簡素な文面な気もするが

「こちらこそよろしくお願いいたします
ありがとうございますそれでしたら12時に青山でもよろしいでしょうか?
待ち合わせ場所の詳細はこちらから送ります」

気がつけば日付を跨ぐ時間のためすぐに返信が来ることはないだろうが
メッセージを送信してスマホを置き先程撮影した動画の編集作業に入る
明日の朝はそこまで早くないためもう少し出来るところまで完成させておきたい
こんなことまでして時間を作って得られるものが大したものではないことがわかってしまっているため
トミーには申し訳ないがモチベーションはとても低い
でもこの動画を楽しみにしてくれている視聴者さんには何も非がない
それにやっつけな動画を投稿することもプライドが許さない
低空飛行中のモチベーションをなんとか持ち直してパソコンに向き直る

日曜日の半日もない時間
惜しくはあるがそこさえ割けばこれから会うことも
連絡を取ることもしなくていいとプラスに考えて
なんとか乗り切るしかない

そもそも人見知りなのに
姉はどうして急にこんなこと言いはじめたんだろうか。

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設定タグ:カンタ , 水溜りボンド , 佐藤寛太   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Lsr | 作成日時:2019年10月20日 4時

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