あの呑気な娘と、半目の娘に喧嘩を売ったら ダメ 絶対

要はわかる ページ13

要side


私は、ばぁちゃんと、別れてAと一緒に
河川敷に来ていた


さっきからずっと暗いこいつ。
いつもうざったいほどしゃべるくせに
泣きそうな顔で、ただ一点を見つめている

やっぱりさっきの、言葉が重かったんだろう

でも、こいつがあの、糞どもを忘れていて良かった
覚えていたら
きっと今頃また恐怖心でこいつは壊れていただろう

『おい、何泣いてんだ。
柄でもねぇ、』

いつも通りの口調で
平然を装いながら

少ししてAは、返事をした

A「……迷惑…かけたばあちゃんに
……助けたかったのに…

逆に迷惑かけた……わたし、善人ぶってるのかな？…善人ぶってるよね」

小さな声で泣きそうな声で目に涙をためながら

『……バカか、てめぇ』

とうとう涙がこぼれた
あ〜あ、変に勘違いしてやがる

『何泣いてんだよ
ちげーよ。
オメーがばあちゃん助けたのに
何で気づかないんだよってことだよ』

A「……え？」

『あんとき、オメーがでしゃばんなかったら、
あいつらもっと好き勝手してた

あいつらは言葉じゃぜってー動かねぇ
ちょっとやり過ぎても、良いんだよ

確かにばぁちゃん家の前はダメだった
でも、お前のやった行動を私は、批判しねぇ

自分のやった行動に自信をもて』


A「……うん、ありがと 要ちゃん」

やっと元気が出た

『そろそろ帰るか？
腹へったしな』

A「うん、じゃあね」

『じゃあな』
私は、反対方向に歩き始めた



――― やっぱりあいつらだ

でも、何でいたんだ？
隣町なはずなのに……
とにかく行くか、ささっと返り討ちにしてくれば良い―――

手に握りしめたメモを捨てて早足で商店街に向かった

そのメモはあの糞どもに貰ったもの
厳密に言えばポケットに入れられた紙だ

その紙には

覚えてる？あの場所に来てね

とだけ書かれている
皮肉にもわかってしまう私は、まだあいつらのことをスッキリと忘れられてないらしい

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