435話 早く行かないと ページ44
一二三が温泉街に入ると、人混みの中辺りを見渡す。色んな人達がいるので視界の中に女性が入ってしまい足元が竦んでしまう
それでも助けたい一心で彼らを探す
「ど、独歩!!先生!!」
必死に呼ぶと聞きたかった声が聞こえた
「一二三っ!!」
声のする方に顔を向けると、汗だくになりながら此方へ走ってくる独歩と寂雷、そしてMTCの3人。5人は一二三を見つけて安心した表情だが、本人は変わらず必死の形相で独歩に縋り付き乞う様に叫ぶ
「た、助けてっ!!人が!死んじゃうッ!!」
「伊弉冉落ち着け。貴殿が焦燥していては状況の判断が出来ない
今まで貴殿は何処に居て何があった?」
パニック状態の一二三は伝えたい事が上手く言えず、誰が何処で何をしているか、大事な部分が全て抜けていた
それでも5人は緊急事態なのは察したので、理鶯は一二三を落ち着かせる様に背中を摩った
「奥の、建物、争ってるっ!!」
「ちょっ!?一二三!!?」
過呼吸になり掛けていた一二三は段々と落ち着いてくるが、まだ混乱して単語を並べるだけの言葉を発したまま独歩を引っ張り、2人が争っている建物へ走った
・
「ここ!!」
引っ張ったまま開けっ放しの扉から入ると、本当に人が争っているのかと言うくらい静かだった
だが、少し進んだ先に執恵が倒れており、確かに争い事が起きていたのだと理解する
どんな人物だろうと怪我人と判断した寂雷は直ぐに駆け寄り脈拍等バイタルチェックを行う
「っ……。ただ気を失っている様です
一二三君、この女性は?」
「僕の店の常連客で、僕をここに連れ去った犯人です……」
独歩から無くしたジャケットを貰い着替えながら答える。寂雷は「そうですか……」とだけ返答し辺りを見渡した
「争っていると一二三君は言っていましたが、もう1人の方は?」
「さっきまで居たはずなんですが……」
「この場から離れた、という可能性はありますが、その場合我々とすれ違っている筈ですね」
「ならまだ近くにい――」
「しっ……。誰か隠れている様だ」
左馬刻の言葉を遮り理鶯は自身の口元に人差し指を当て静かにする様促した
五感を最大限に生かし戦場を生き抜いた理鶯からすると、僅かな呼吸音ですら居場所を把握出来る
倒れている執恵含め6人のとは違う呼吸音が聞こえた理鶯は大きな機械に近づいて行く
「A、何故貴女がここに居る……?」
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にゃんこ(プロフ) - はい。楽しみにしています。 (2021年8月8日 14時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» 了解しました!確実に出す予定なのでそれまでお待ち下さい!! (2021年8月8日 12時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 予定でしたら大丈夫です。無理はしないで下さい。焦らずゆっくりでいいです。 (2021年8月8日 10時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» 予定はあるんですが、まだ第一回のディビジョンバトルも終わっていないので、結構後になってしまいます!申し訳ありません!! (2021年8月8日 9時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 私も遅くなってすみません。大阪と名古屋の絡みはありますか? (2021年8月8日 7時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年7月11日 23時