430話 怪しいなら確認しに行かないと! ページ39
「んじゃ、用が済んだからおいちゃんは帰るわ」
元気でな、そう立ち上がりスマホを返すとこの場を去ろうとする男。やっと見つけた昔の私を知る人物、私の手は自然と男の腕を掴み引き止めていた
「おいおい知らない人にはついて行かねぇって言われてるんじゃねぇのか?」
『ただ私が一方的に忘れているので例外です。何か私の事を知っているなら教えて下さい』
「こんな可愛い嬢ちゃんにアプローチされちぁ、茶ァの1杯くらい付き合いてぇ所だが……。いいのか?お前さんらが探してる金髪の兄ちゃん――
気を失ってる状態で女に運ばれてたぜ?」
再び不敵な笑みを浮かべる男。思わず男の両肩を掴み声を荒らげ問いただした
『ど、どういう事ですか!!?』
「まんまだよ。俺がここら辺歩いてたら見かけてよ、話しかけたら“酒飲み過ぎて酔いつぶれた”って言うもんだからそのまま送り出しちまった」
『じゃあ何で私達が探してるって分かったんですか!?』
「そりゃあ必死の形相で店から出てくる所見たら、ンな予感がしてな。鎌ァかけたらビンゴだった訳だ」
『何処の方面に言ったか教えて下さい!』
「そうだなぁ……。ここら辺は車の通行は禁止されてるからぁ……」
焦っている私が面白いのか、態とらしく言葉を伸ばし考える男。徐々に手に力が入っているとある方角を指差した
「女だからな、気を失ってる野郎を運ぶのには限界がある。ならあそこの方面にある潰れた工場にいるんじゃねぇか?」
『潰れた工場……?』
「そこの社長が怪しい取引をしてたってので潰れて、1件だけポツンと錆びれた工場が建ってんだよ
基本誰も近寄らねぇし犯罪の休憩場には持って来い、って訳だな」
何故この人がここまで詳しいのか知らないけど、それが本当なら一大事だ。早く向かわなければ
『分かりました。情報ありがとうございます!』
一刻も皆に伝えないといけないが、本当にいるのかも分からない状態で混乱させるのもダメだ。なので、確認する為 私は頭を下げた後男が指した方角へ走り出した
・
――Aが走り去った後、男はポケットから煙草を取り出し咥えると火をつけた。ふぅ……と紫煙を軽く吹き出すと怪しく笑った
「漸く喋れたが……まさかあんな真面目に育ってるとはな……。あの野郎の努力の賜物ってか?」
今度は揶揄する様な笑みを零すと、踵を返し賑やかな人混みの中に飲み込まれる様に消えていった
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にゃんこ(プロフ) - はい。楽しみにしています。 (2021年8月8日 14時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» 了解しました!確実に出す予定なのでそれまでお待ち下さい!! (2021年8月8日 12時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 予定でしたら大丈夫です。無理はしないで下さい。焦らずゆっくりでいいです。 (2021年8月8日 10時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» 予定はあるんですが、まだ第一回のディビジョンバトルも終わっていないので、結構後になってしまいます!申し訳ありません!! (2021年8月8日 9時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 私も遅くなってすみません。大阪と名古屋の絡みはありますか? (2021年8月8日 7時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年7月11日 23時