204話 やっぱり意地悪です…… ページ10
ピピピッと電子音が何処からか聞こえた。ゆっくり瞼を上げると真っ暗で、何かに抱きしめられているのか身動きが取れない
きっと銃兎さんだと思うけど、いつの間にこんな密着してたんだ……っ!?
「んっ……もう朝か……」
音で起きた銃兎さんは僅かに身動げば、電子音が鳴り止む。次に聞こえたのは、はぁ……と息を吐く音で、何故かギュッと抱き締める力が強くなった
ちちち近いッ!近いからか銃兎さんから石鹸の香りがっ!!いやめっちゃ良い匂い!!
パニックになり思考が現実逃避の為か変な方向へと行く
私も抱き締め返さなければと意味不明な事を考えギュッと抱き着くと、私の耳元に何かが近づき意地悪な音が鼓膜に触れた
「ククッ、随分と可愛らしい事するじゃないですかぁ?理鶯にもそうしてるんですか?」
その吐息の様な囁きは凄く擽ったくて、耐える様に自然と抱きついていた腕の力が強ばってしまう。その反応が面白かったのか、クツクツ笑い「どうしたんです?」とわざと吐息が耳に当たる様にまた囁いた
『くッ、擽ったい…です…ッ!』
「フフッすみません。貴女の反応が面白いもので……」
顔は銃兎さんの胸板辺りに埋めているので表情は見えないが、きっと悪い顔をしている事だろう。やられっぱなしになってたまるかと、お腹をポカポカ殴ったが全然ダメージが入らない。再び耳を攻撃されたので、直ぐに白旗を上げた
「可愛らしい反撃でしたよ、フフッ」
「さてと起きましょうか」と銃兎さんは私の頭を撫でた後に起き上がる。反撃出来なかったのが悔しいが、やった所でこっちが負けるので大人しく私も起き上がった
・
軽い身支度を済ませていると、銃兎さんは朝ご飯の準備の為ポットに水を入れ始めた。何か手伝いたいと、近くに行き聞いてみる
『銃兎さん、何か手伝える事ありますか?』
銃兎さんはポットを機械にセットしてスイッチを押すと「そうですね…」と顎に手を添える
「食パンをトースターで3分温めて欲しいんですが……」
「使い方分かります?」とトースターを指さして聞かれたが、基本的な調理器具や家電の使い方は、左馬刻さんがついでにと買ってくれたレシピ本を読んでいたのでバッチシ頭の中。親指を立てて『問題なしです!』と答えた
すると銃兎さんは意外だと言いたげに目を見開いた後、表情を綻ばせ「では宜しくお願いします」と食パンが入った袋を渡してくれた
よっし、人生初のトースター頑張るぞ……っ!
205話 ただ手伝ってただけじゃないんです!!→←203話 激レア写真GETです!!
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刹那(プロフ) - 尊いさん» 尊いさん読んでくださりありがとうございます!!良かったと言って下さり凄く嬉しいです!次の章は全力制作中なのでもう暫くお待ちください!! (2021年4月25日 22時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
尊い - めっちゃ良かったです!!続き楽しみに待ってます! (2021年4月25日 22時) (レス) id: 8a111ea7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年3月30日 12時