210話 カニバリズム！！？ ページ16
理鶯さんのベースに着くと、昨晩の嵐が嘘のように何事も無く平然とテントが建っていた。流石理鶯さんのテントは凄く頑丈なんだと感激
理鶯さんはと言うと、焚き火の前に座り武器の様な鋭利な物を手入れしていた。私達が近づくと｢貴殿らか｣と微笑み武器を自身の横に置く
｢理鶯、それは何です？｣
｢トラバサミだ｣
『トラバサミ？』
今まで理鶯さんの罠や仕掛けを見てきたが、トラバサミなんてものは見た事がない。丸い目の私達が椅子に腰を掛ければ、トラバサミの説明をしてくれた
｢これは真ん中に足が乗ると鋭い刃で挟み込むのだ。本来狩り等に使うが、獲物に多大な苦痛を与えてしまうので今まで使っていなかったのだ｣
｢な、成程……。では何故手入れを？｣
｢これから小官達はイケブクロに向かうのだろう？その間Aに近づく不審な輩が現れる可能性がある｣
｢だからこれを仕掛ける｣とトラバサミを再び持ち鋭い目で見る。その顔は敵を全て抹殺せんとする軍人の表情だった
理鶯さんの圧に私達は唾をゴクリと飲む
｢さ、殺傷能力高そうですが……｣
｢そうだな。物によっては足の骨を粉砕する威力を持つ｣
『ふ、粉砕ッ！？』
｢左馬刻や有栖川さん等の客人が来る場合は大丈夫なんですか？｣
｢あぁ、既に左馬刻には伝えている。それにこれを仕掛ける場所は、裏から奇襲される可能性がある場所だ。余程の事が無い限り有栖川も掛からないだろう｣
『成程……帝統さんは掛かる可能性あるんですね』
｢掛かった場合、今夜は有栖川鍋にしよう｣
微笑んで理鶯さんは言うが軍人の突発的な殺人予告なので、私達の体が恐怖でぶるりと震える
｢そ、それは冗談ですよね…？｣
｢む？そのつもりだったが伝わらなかったか？｣
『顔がマジだったので本気かと……』
｢流石に小官は人肉に興味は無い。食糧難に陥れば別だが｣
『え、冗談ですよね？？』
｢これは本気だが？｣
『区別がつかない！！ってかそうなった場合真っ先に私食べられないですよね！！？』
｢どうだかな？｣
『ヒィィッ！！？私美味しくないです！！』
｢理鶯……｣
｢くく、すまない。全て冗談だ｣
本気で殺されると思って銃兎さんに縋り付くと、やれやれと溜息を吐きながら叱ってくれた。叱られた理鶯さんはすまないと言葉では謝っているが、表情は悪戯な笑みを浮かべているので反省はしていない様子
『やっぱり非道じゃないけど外道です銃兎さん！！』
｢確かにそうですね｣
｢む……？｣
211話 殺傷能力高めです！！→←209話 花言葉というのは沢山ありますね
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刹那(プロフ) - 尊いさん» 尊いさん読んでくださりありがとうございます！！良かったと言って下さり凄く嬉しいです！次の章は全力制作中なのでもう暫くお待ちください！！ (2021年4月25日 22時) (
レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
尊い - めっちゃ良かったです！！続き楽しみに待ってます！ (2021年4月25日 22時) (レス) id: 8a111ea7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2021年3月30日 12時
