178話 不審者 ページ33
「ふむ……ここまで廃墟と化してるが電気は生きているのか……」
左馬刻達と別れた小官は、電気室らしき部屋に入った
電気がつくかどうか試しに分電盤のブレーカーを上げると簡単に施設内に明かりがついた
故障していたわけでは無かったのか……
電気が通った事によりこの施設の機械が起動している事だろう。小官は電気室を後にし次の部屋へと移動する
次に入った部屋は監視カメラの映像が映っている大量のモニターが設備されていた。管理室なのだろうか…?
監視カメラは殆どの部屋に取り付けている様で、モニターを見れば大体の状況を把握出来そうだ
外には銃兎がいるな……今廊下を通った人影は…左馬刻だろうか…
他のモニターを見ると白い部屋が映っている映像もあった
だがカメラの取り付け位置が高すぎる為、もしそこにAがいたとしても頭頂部しか見えそうに無い。本棚も本が置いてある事は確認出来るが内容までは見えない
これではとてもでは無いがAの様子が見れずただ居るかだけの確認しか出来なさそうだ……
余程ここの連中はA自体にに興味がないらしい……
その事実に苛立ち、自然と奥歯を噛み締め手に力が入る
他に手掛かりが無いかと行動を再開すると、突然ポケットに仕舞っていたスマホが震え出した。取り出し画面を見ると左馬刻からの着信。直ぐに応答をスワイプした
「どうした左馬刻」
《あぁ悪ぃな、今電気が通ったおかげでパソコンが動いたんだがパスワードがねぇと調べられねぇんだよ
何とか出来そうか?》
「あぁやってみよう。何処の部屋だ?」
《白い部屋からでて左側にある部屋だな》
「む……?左馬刻、貴殿はずっとその部屋にいたのだろうか?」
左馬刻の言葉に違和感を感じもう一度尋ねると、ずっと部屋にいたと返答が来た。ならば先程の人影は……
「っ!!すまない左馬刻!不審者を確認した!その後に向かう!」
《はぁ!?どうした――》
左馬刻は何かを言っていたがそれどころでは無く、遠慮無しに通話を切り部屋を飛び出す
あの廊下の映像は崩壊部周辺の物だったのでそこを目指した
・
廊下を無我夢中で駆け抜けると明らかに左馬刻では無い人影を捉えた。相手は小官に気づいたのか勢いよく地面を蹴り、逃げる様に走り出した
「くっ……待てッ!!」
やはり小官の言葉に従う気は無い様で、相手は崩壊した部屋に向かいそのまま外へと飛び出し、森の中に消えていく
逃がしはしない、迷わず小官も後を追った
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刹那(プロフ) - 戦国娘さん» 戦国娘さん読んでいただきありがとうございます!題名に惹かれたなんて嬉しい言葉感激です!頑張って考えた甲斐があります!!次の章は全力制作中なので50話が溜まり次第更新します!! (2021年3月17日 8時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
戦国娘(プロフ) - 題名に惹かれて全話読破しました!もう次の更新が楽しみすぎますo(><;)(;><)o次話の更新楽しみしてます(*^^*) (2021年3月17日 0時) (レス) id: 008b2d0f5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年3月2日 12時