1145話 意外と知られているアニメ ページ15
記憶が戻ったAからすれば既に頭に入っているが、他は限られた情報で形作られた想像のみ。ポンポンと語られる事実に何人かは頭を抱えて、何人かは考える事を放棄しかけた
昔の思い出を語っていたAは、周りの疲れた表情が見えてないらしく、ニコニコと明るく話を続ける
『私は幼くて曲のタイトルとかアニメの名前は知らなかったんですけど、初めて行ったカラオケで歌詞検索というのがありまして判明したんです！』
｢マイナーだから知ってる人居ないと思うけど、機動部隊マキナ！結構昔のアニメなんだよなー｣
一二三が作品名を口にすると、それに反応したのは寂雷と銃兎と左馬刻。軍人故にその文化には疎い理鶯はキョトン顔で知っていそうな3人を見ていた
｢おや懐かしいですね。私の友人もそのアニメを語っていたのを思い出しました｣
｢先生もご存知ですか！？｣
｢確かゲームも発売していなかったでしょうか？｣
｢えぇ。その時代のロボットアニメのゲームでは珍しいアドベンチャーゲームで、アクションゲームでは無かったもののifを含めたストーリーが好評で今ではプレミア価値がついています｣
｢ウサちゃんも知ってんの！？｣
｢何か一郎から聞いた事あンぞ。ボロ泣きしながら喋ってたからあんまし内容入って来なかったが｣
『い、意外と皆さん知ってましたね！？』
｢ふむ、全員が知っているとなると興味が湧く。誰かDVDかそのゲームとやらを持ってないか？｣
｢あー昔過ぎて出回ってるのはDVDじゃなくてVHSしか無いかも。因みに俺らの家には無いんだよなー｣
｢ゲームは持っていますが、残念ながら昔にやり込んでいた所為で読み込み不良を起こして出来ないんです｣
｢私は友人から聞いていただけだからね……。でも彼は拘りが強かったからもしかすると………連絡手段があれば良いんですが……｣
｢一郎なら持ってそうだな。アイツなら使う用と観賞用と何かあった時用に買うだろうし｣
｢成程、山田一郎は最悪のケースを考えて予備を用意しているのだな｣
｢馬鹿なだけだわ｣
思い出話からまさかの機動部隊マキナの話で盛り上がる7人。その中でもAは、嫌悪感を出さずに一郎の名前を出した左馬刻に、言い表せない感動を覚えていた
すると更に左馬刻は彼女をもっと喜ばせる事を口にする
｢まぁ今度一郎に会ったら聞いてみるわ｣
『っ！！』
｢うむ、楽しみに待っていよう｣
｢聞くだけで貸してもらえるかは別だからな？｣
｢勿論理解している｣
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作者名：刹那 | 作成日時：2024年3月4日 0時
