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986話 果たしてそれは拗ねているのか ページ6

『酷くないですか!?反射的に出る声で可愛かったらそれは演技です!』

「はははっ、ンだよその理論」


分かりやすい程に怒るAと弄り倒しながら楽しむ左馬刻。ふとチームメイトが静かだな、と左馬刻が理鶯の方へ顔を向けると、何処か険しく此方を見ていた事に気付いた

今の雰囲気には似合わない表情。思わず戸惑いで固まる左馬刻は、何とか口を動かして彼の名前を呼んだ


「り、理鶯……?」

「む?あぁすまない、折角の2人きりのデートだったが左馬刻に取られてしまったと思ってな」

「ンだよ拗ねてたのかよ……」


それにしては少し雰囲気が違った気がするが……。左馬刻は拭い切れない違和感を抱いたが、口を開こうとした頃には理鶯がAへちょっかいを出していた


「小官は先程の声も可愛いと思ったぞ」

『いや褒められても…!!理鶯さんの耳、何かしらのフィルター張られてます?』

「貴女に関するモノは全て可愛らしいと思っているが?」

『変なフィルターありますね!!』


気の所為か……。そう片付けて、左馬刻もAを弄る事に加わる事にした。さっきの感触が案外気持ちよかったので、再び人差し指で彼女の頬をプニプニ遊び出す


「おらおら、さっさと食っちまえよ。俺様とのデートが短くなンだろうが」

『んむっんむっ!?ちょっと!!早く食べて欲しいなら突っつかないで下さいよ!食べずらい!!』

「ふふっ、やはり可愛い顔だ。動画でも撮っておこう」

『んむっ!?撮らないで─むぅっ!?』

「おー頼むわ理鶯。こっちのアングルじゃ横しか無理だからよ」

『さ、左馬と─んむっ!!喋ってる途ちゅ─むぐっ!?』

「ブハハッ、やっぱ面白ぇわ」


暫く2人に弄ばれたAだが、何とかデザートを味わいながら食べる事が出来た。というのも、嫌がらせを受けていると認識があったが、左馬刻と理鶯の珍しい子供の様な無邪気な笑顔を見れば、自然と“ま、楽しそうなら良いか。”と片付けられたので食べ進められたのだ

因みにだが、このちょっかいを出されているAの動画は直ぐにMTCのグループチャットに共有された

鬱陶しそうな険しい表情だが、頬っぺがプニプニされてゆるキャラ感が否めないA。そんな彼女が意地でもデザートを食べる姿は、仕事でストレスを感じていたのであろう銃兎のツボに刺さったらしく、直ぐに───








銃兎色々とご馳走様です。







と短い返信が来て、理鶯と左馬刻は店の中で吹き出したのであった

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作者名:刹那 | 作成日時:2023年9月29日 19時

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