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784話 他人の意見は気にするな ページ47

周りの楽しい賑やかさにチラリと視線を動かす。3人共既にミサンガが程よく伸びていて、もう直ぐ終わってしまいそうだ
私の方は2回目という事もありコツも何となく覚えたので、店員さんの手助けは必要じゃなくなった。なので店員さんは笑顔で「また何かあれば言って下さい」と持ち場へと戻って行った


そんな中、カラン、と注目を集めるかの様に一際大きく音を鳴らした乱数さんは、ニコニコ無邪気な笑顔を浮かべて「でもでも〜」と言葉を続けた


「神様って不公平だよね。天は人に二物を与えずって言うけど、何も貰えなかった人だっているんだよ?そう言うのってゲンタローどう思う?」


まるで世間話をするようなラフな感じなのに、内容は凄く重い。突拍子も無い事だが、特に気にする様子もなく幻太郎さんは「そうですねぇ……」と思案する仕草を見せた


「確かに何も貰えなかった人も居れば、2物以上与えられたと思える人物も居ない訳ではありません。ですが何をもって“物”と捉えるかによりますね」

「どういう事だ?」

「例えばですが才能を“物”としましょう。道端で落ちているゴミやガラクタを集めて発明品を作る人が居たとします。人によってはそれは環境に良い素晴らしい才能だと言うでしょう。しかし反対に、無駄なゴミを増やした環境破壊者だと言う人も居ます。
その場合、“再利用出来る知識”“それを作り出す技術”は“物”として評価出来るのか、意見が別れると思いますよ」


興味深い話に思わず手を止めて聞き入ってしまう。何処か懐かしさを感じる彼の意見に、乱数さんと帝統さんはパチパチと瞬いている


「結局は人の匙加減なんですよ。人によって2物以上と感じたり、ゼロだと感じたり。なので他人が評価する数より、自身が誇れる“物”を見つけ、磨く方がいいと思います
境遇についてもまた然り。何も無いと嘆くだけで終わらずに、その中で気づかなかった幸福を見つけたり、恐れずに新しい場所へと進むとか、ね」


あっ……。
そうだ。思い出した。


「勿論難しい話です。簡単に出来ていれば誰も苦労はしません。ですが、その逆境を乗り越え何かを手に入れた人だっているんです。
結論、他人の意見は気にするな、です」



────“他人の事なんか気にすんじゃねぇ。お前は何になりてぇんだA”

“ふっ、大丈夫だ。お前が自分と言う柱を倒さねぇなら、誰が何と言おうとその定義は変わんねぇし、見失わねぇよ”


そうだあの日、ハカセは私にそう言ってくれたんだ

785話 最ッ高にラッキーだな!!→←783話 段々何処までやったか分からなくなってしまいます……



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作者名:刹那 | 作成日時:2022年8月23日 15時

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