sweet31.過去編−追憶1−〈side.夢主〉 ページ32
…桜の舞う高校一年の春。
あれが、彼と私の出会いだった。
.
「ほしみやみつき、って…」
漢字で書くと、星宮光輝。
とにかくものすごくキラキラした名前だなあ、なんて思ったけれど、実際顔も声も全部名前に見合ったキラキライケメンさんで。
なんか、ワンエイス?とかいうやつらしく外国の血が混じっているらしい。確かに、言われてみれば日本人というより外国人ぽい感じだった気がする。
で、入学して初っ端からそんな人が隣の席ときた。
…まあ、昨日が入学初日だったというのに彼は、沢山の女の子に囲まれていて話すらできなかったけれど。
ま、あんまり興味ないしいっかあ…なんて思いながら、眠い目をこすって机に伏せる。
…あー、暖かい春の風が心地よくて、寝ちゃいそう…なんて思っていたのも束の間。
誰かに後ろから肩を叩かれる感覚がして、急いで顔をあげた。
「…は、はいッ!」
「…天海さん?大丈夫?」
そう、ふわふわとした独特のけだるそうな声で話しかけてきたのは、まさかの彼だった。
「えっ…星宮くん」
まさかあの彼が普通に話しかけてくるなんて思いもしなくて、少し身体が強張る。
どうしたの、と問いかけると、驚いたように目を見張る彼。
「あ、いや…ずっと顔伏せとったから、具合悪いんかなーって思ってん。やけど、元気そうでよかった」
「あ、なんかごめんね」
少し心配をかけてしまったみたいなので、一応軽く謝ると、いやいや、と首を横に振った彼が、そのまま席に着く。
(…そっか、隣の席なんだった)
今更ながら妙に緊張する。まあでも、そんなに話すこともないだろうし…
「なあ」
…なんて思っていたら、不意に話しかけられて心臓がドキリと跳ね上がった。
「あのさ…、Aって呼んでいい?」
「…え?」
何かよっぽどのことを言われるのかと思って身構えていたため、予想外の言葉に拍子抜けした声を出してしまう。
「あ、ダメやったら別にええんやけど…」
わかりやすくしゅんとする彼に、何もしていないのになぜか罪悪感を覚えてしまい。
「えっ、いや、全然ええよ…!」
「ほんま?!じゃあ、俺のことも光輝でいいから!よろしくな!」
「…うん、よろしくね…?」
…彼の意外な性格に驚きながらも、話しかけてくれたのがちょっと嬉しかったりして。
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音香(プロフ) - あぁー... (2017年12月6日 20時) (レス) id: 98537a5e17 (このIDを非表示/違反報告)
暖(プロフ) - らるとさん» コメントありがとうございます!(レス遅くなってすみません)嬉しいです!ぜひ完結まで見てくださるとありがたいです(*^^*) (2017年11月19日 0時) (レス) id: 2c285f09cc (このIDを非表示/違反報告)
らると - すごく続き気になります!更新おうえんしてます!(Ò × Ó) (2017年11月13日 19時) (レス) id: 88d6a4021e (このIDを非表示/違反報告)
暖(プロフ) - 夜露なぎささん» コメントありがとうございます!誤解させてしまってすみません>< 暖かいお言葉ありがとうございます!これからも頑張ります(*´`) (2017年11月2日 19時) (レス) id: 2c285f09cc (このIDを非表示/違反報告)
夜露なぎさ(プロフ) - とりあえずお疲れさまでした!ここまで読んで終わっちゃうのかな、って一人で寂しくなったんですけど、まだ続くようで安心しました!!これからも応援してます!頑張ってください~!! (2017年11月2日 18時) (レス) id: 3298343109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暖 | 作成日時:2017年10月9日 10時