sweet14.赤丸 ページ14
「あのさ⋯」
「ん?」
「あっ、いややっぱなんでもない!」
うう⋯
なんかさっきからずっとこんな調子。
彼女に両国のことを切り出そうとしてはいるけど、なんだか思い切れなくて中々話せない。
結局、あの後3人が事細かに決めてくれた計画では
『28日の予定を聞いて、空いていたらライブと言わずに両国国技館まで誘い出して、誰のライブと言わずに見てもらおう』
とのこと。
いわゆるサプライズ形式ってやつだ。
恥ずかしいことこの上ないけど、やるからにはやらないといけない。そのために、これまで沢山のリハを積んできた。
「⋯あの、今月の28日⋯って空いてたりする?」
「⋯え?28日?⋯ちょっと待ってね、スケジュール見てくるね」
わああああ!聞いちゃった!
てかこれで空いてなかったらどうしよ⋯二日目に誘う⋯?
すると、手帳を持ってとことこと帰ってきたA。
「渉くん!土日とも休みだった!28日大丈夫だよ!」
「え、ほんと?!」
よかったあぁ…
⋯てか、これって普通に見たらデートのお誘いみたいじゃん⋯恥ずかしい⋯
「あはは⋯それで、28日に何かあるの?」
「あっ、えっとね」
息を整えて、彼女だけをすっと見つめて。
「⋯大切なことを伝えたくて。よかったら、28日にこの場所まで来てくれないかな」
案外お店は両国国技館から近い。お店からならたぶん歩いて行けるであろう距離なので、簡単に地図を書いた紙を渡す。
「両国国技館に来て」と言えばそれが一番早いんだろうけど、両国で何があるのかを調べられたら元も子もない。
「⋯?わかった」
きょとんとしている彼女に、少し騙しているかのような罪悪感に駆られるが、今はそんなのは気にしていられない。
少し微笑したあと、目を伏せる。
すると、何やら再びスケジュール帳を取り出したA。
「ふふっ⋯渉くんに呼び出し⋯っと。楽しみだなぁ〜」
そう呟いて楽しそうに28日に赤丸を書き込む姿に、A、そしてリスナーのみんなの期待を裏切れないことを改めて実感してしまう。
__見ててよ。絶っ対、最高のライブにして見せるから。
そう、心で誓って、来たる両国ライブに思いを馳せた。
****
ちょっと早いですがもうそろそろ両国編にいきます。
本番ももうすぐですね⋯!楽しみです(*´`)
▽追記▽
展開が不自然だったので少し修正しました。
sweet15.着せ替え人形〈side.夢主〉→←sweet13.脈アリ〈side.夢主〉
333人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
音香(プロフ) - あぁー... (2017年12月6日 20時) (レス) id: 98537a5e17 (このIDを非表示/違反報告)
暖(プロフ) - らるとさん» コメントありがとうございます!(レス遅くなってすみません)嬉しいです!ぜひ完結まで見てくださるとありがたいです(*^^*) (2017年11月19日 0時) (レス) id: 2c285f09cc (このIDを非表示/違反報告)
らると - すごく続き気になります!更新おうえんしてます!(Ò × Ó) (2017年11月13日 19時) (レス) id: 88d6a4021e (このIDを非表示/違反報告)
暖(プロフ) - 夜露なぎささん» コメントありがとうございます!誤解させてしまってすみません>< 暖かいお言葉ありがとうございます!これからも頑張ります(*´`) (2017年11月2日 19時) (レス) id: 2c285f09cc (このIDを非表示/違反報告)
夜露なぎさ(プロフ) - とりあえずお疲れさまでした!ここまで読んで終わっちゃうのかな、って一人で寂しくなったんですけど、まだ続くようで安心しました!!これからも応援してます!頑張ってください~!! (2017年11月2日 18時) (レス) id: 3298343109 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:暖 | 作成日時:2017年10月9日 10時