白龍を想う人々 ページ16
里の民「白龍様…」
と、声をかけられ、キジャが振り向くと里の民が揃ってこちらを見つめていた。
キジャ「みな、見送りはせずとも良いと申したはず…」
民「そんな…あんまりです！」
民「出発はせめて明日だと思っておりましたのに…」
そう嘆く里の民を、キジャは慈しむように、それでいて決意の漲った目で見下ろした。
キジャ「何を言う。お仕えする主が現れたのだぞ？…その方が我が力を必要とされているのだ。歴代白龍が今、この時の為に残してきた力を…。旅立ちの日までみなに甘えていては天罰が下ろう。」
里の女達「本当に…白龍様はご自分にもお厳しくて」「ご立派で」「お美しくて」「肌スベスベで」「髪サラサラで」「女泣かせで」「私、先日破談になりましたのよ」←
と、何だか最後は困る情報を得た白龍だったが、女性達の次は男性たちが膝まづいた。
キジャの叔父「白龍様。白龍様が戻られるまで、この里の守りは我らに。」
キジャ「うむ、頼んだぞ。里が安泰であれば、万が一私が死んでもまた新たな白龍の御子が誕生するであろうからな。」
里の男達「そんな事仰らないでくださいーっ！」「泣いちゃうぞー！」「白龍様のバカー！」←
と、キジャは男と男の約束的なかっこいい別れ方をしようとしたのだろうが、返って里の男達を泣かせてしまった。
そして、最後はババが前に出た。
ババ「白龍様。」
キジャ「ババ…」
ババ「この握り飯を持って行きなされー！道中冷えるであろうババの作った外套と着替えじゃ！あと薬十年分とその美貌を保つ為の美容液！ええいお供に一匹持ってけドロボー！！」
キジャ「ババっ持てぬ持てぬーっ！」
と、最後の最後まで愉快なコントを見せると、キジャは真剣味を帯びた表情でババを見た。
キジャ「ババよ、暫く留守にする。叔父たちに村の事は任せてあるから…」
ババ「む、ワシは何も聞いておらぬぞ。留守を預かるのは里の長老であるババの役目であろう！？」
キジャ「しかしババ、また目を悪くしたと聞いたが…」
ババ「ワシがこの里で一番のピチピチですぞっ」
キジャ「確かに元気は認めるが…！」
そして、一粒の雫が零れた…。
ババ「だが……張り合いがないわ…。明朝…白龍様を叩き起す事が、もう出来んとは…。一族の悲願が叶ったと言うのに、まさかこんなに、急だとは…」
キジャ「……ババ、顔をあげよ。ババは、父上や母上より長く共に過ごし、私の成長を見守ってくれた。私の大切なババだ…。遠く離れた地からでも私はみなと、ババの幸せを願おう…。」
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れ(プロフ) - 大好きな小説です、、、、更新が日々楽しみです！（＾∇＾） (2021年9月25日 10時) (
レス) @page45 id: 209bb49b1a (このIDを非表示/違反報告)
fruit - とても面白かったです 続きめっちゃ楽しみにしています。 (2021年8月13日 0時) (レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
月 - 続きが楽しみです 頑張って下さい (2021年7月9日 17時) (レス) id: 5ca45dddad (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！更新頑張ってください！！！ (2021年5月25日 2時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
まなむ(プロフ) - 待ってました！！続き楽しみにしてます^^* (2021年5月24日 16時) (レス) id: 5ac4c05584 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メリ助 | 作成日時：2020年2月7日 0時
