第18話 ページ20
『...うん、潔くん
もちろん覚えてるよ』
「え!あ!そ、そうですよね
すみません...」
少し照れたように空笑いするのはチームZ
ランキング274位の潔世一である
『それで...
何か相談かな?』
「あ、えっと...
絵心、さんって」
『Aでいいよ』
絵心さん
そう呼ぶのに多少の戸惑いがあったのだろう
Aはすぐにそれに気づき
自分の事は名前で呼ぶように言った
「え、でも」
『呼びづらいでしょ?
それに私も苗字で呼ばれるの慣れてないから』
「...なら
A、さん...」
『うん!』
「!
えっと
Aさんってトレーナー?なんですよね?」
パ、と浮かべた笑顔に
潔はほんのり頬を染めるが、すぐに我に返って話し出す
『うん
独学だけど資格も取ってるよ』
「独学...
お願いしたら
練習メニューとか、組んで貰えますか?」
『練習メニューって言うのは
普段のトレーニングに加えてって事?』
「はい!」
『ふむ...』
鞄からタブレットを取り出したA
少々悩むような素振りに、潔の眉が下がっていく
「俺のランクじゃ
難しい、です、よね...」
『え?』
「絵心も優秀な選手には相応の対応を、って言ってたし
俺の面倒見てる余裕なんてないですよね...」
すいません、と頭を下げ
その場を離れようとする潔の前に、ズイ!とタブレット突きつけるA
「え゛!?」
『私は誰かを特別に優先することはありません
あるとするならば
やる気の差』
「?」
『ここでは努力できない人間なんかいらない
努力しない人間を...
世界一になるつもりのない人間を
私はサポートするつもりはない』
「!」
『世界一になりたいと望むなら
そのために必要な努力が出来るなら
私は誰にだって
何度だって手を差し伸べる
私はそのためにいるの』
「...」
どこまでも真っ直ぐな瞳に
潔の心臓がドクリと大きく脈打つ
彼女の言葉に
絵心とはまた違った力を感じたのだ
『潔くん
今君に必要なものは練習量ではない気がするな』
「え?」
『これ
見て』
これ、と指さしたのはタブレットの画面
どうやらAがまとめた潔のデータらしい
「これって...」
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るあ(プロフ) - 細かくて申し訳ないんですが凜は凛です💦 (2023年4月29日 15時) (レス) @page28 id: 400c031e62 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 瑠璃(Aru)さん» コメントありがとうございます!そのように言って頂いてとても嬉しいです!!中々筆が進んでいませんが、頑張って更新していきますので、これからもよろしくお願い致します。 (2023年3月26日 16時) (レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(Aru) - こんなに面白いのになんで伸びないんだ?めっちゃ好きです。応援してます! (2023年3月21日 9時) (レス) id: cdae4ec124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SHINKAI | 作成日時:2023年3月9日 23時