テニスVSピンポン ページ46
いきなりですが、きょうは球技大会です。
あ、どうも、水崎Aです。
っていうか、
『楽しみすぎて眠れなかったんだけど!?』
柚「あー声でかい」
ペシッと私の頭を叩く柚。あれ、なんかデジャブ…
柚「それで、Aはなんの競技出んの?」
『ん〜すっごい悩んだんだけどね?これ…』
そうやってスッと私が出したのは『初めてのバスケ』というタイトルの本だった。
柚「…あんた、バスケしたことないの?」
『え、う、うん…ていうかテニス以外のスポーツは基本したことないっていうか』
えへへ、と言うと「や、そこ照れるとこじゃないから」と鋭いツッコミを受けた。
『よーし、早速バスケのとこに向かおう!…っとあれは…』
バスケのコートの周りには1年の子達と、大石くん、菊丸くん、不二くんがいた。どうやら今やっている桃城くんの試合を見ているみたい。
私はみんなの所に行き、話に加わった。
『おーおー、桃城くんやってますなぁ〜』
菊「あ、水崎さん!と…七瀬さんもだ!」
大「やあ、2人とも」
柚「どーも」
私達が来たことでこの場は一気に騒がしくなった。私は一通り軽く喋った後コートに目を移した。
『にしても分かってはいたけど…打ちすぎ、ダンク』
そう呟いた時、またしても桃城くんがダンクを決めようとしていた。
と、丁度そのタイミングで、横から何かが飛んできて桃城くんの頬を掠めた。
海「悪いな…つい力が入っちまった。フシュー…」
桃「てめぇ、打つ方向が全然違うだろうが!」
菊「隣のコートで海堂がバドミントンやってたのか…」
殴り合い勃発かと思われたが、審判の声掛けのお陰でなんとか大事にはならなかった。
『お、そろそろ私の出番かな?』
不「2人は何に出るの?」
私がジャージを脱いで、体をほぐしていると不二くんがふとそんな事を聞いてきた。
『私はバスケだよ〜』
菊「じゃあこの桃の試合が終わったらかー」
不「七瀬さんは?」
聞かれた柚は顔をフイッと背けた。そう言えば私も聞いてなかったっけ。
柚「テニス……」
『そっかーテニスか〜………テニス!?』
あまりに衝撃的すぎて思わず2度見してしまった。
そう、この球技大会は強制参加ではないのだ。
だから運動が苦手、もしくは嫌いな人などは無理に出なくてもいいという学校側の粋な計らいがある。
それを知った時、柚は出なさそうだな〜と思っていたのに。
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作者名:ミズチー | 作成日時:2019年8月21日 14時