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約束 ページ11

医「…Aさんは乳がんなんです。」



そ「……え…?」



医「ご家族にも、彼氏さんであるあなたにも
誰にも言わないで、と本人が言っていました。」



そ「ちょっと、待って、くださ、」




Aが乳がん…?いつから?
信じられない。
だってそんな素振り見せなかった。



医「通院されていたんですが、4日ほど前
やり残したことがある、と
通院を辞めると言い出されて…。


3ヶ月前に余命は決まっていたんです。
もって1年。
しかしそれは延命をすればの話です。


彼女は、延命よりあなたとの時間を優先しました。」




四日前………。
それはAが夫婦修行をしようと
言い出した日だ。




そ「Aは…助からないんですか?」



医「………すでにステージ4。今日まで薬だけでもったのが逆に奇跡に近いです。」





そ「そんな………」




医「せめて、最期くらいはお隣にいてあげてください…。」
















俺はふらふらとAの病室へと向かった。




「……………」




そ「…A、指輪……買いに行けないじゃんか。」




返事をしてくれない彼女に俺は話しかけ続ける。




そ「子ども作るんだろう?
いや、その前に結婚式だったな。」




Aの手に触れる。





そ「なぁ…、修行しただろ?


予行練習したじゃないか。
あとは実行するだけなんだ…。」




ぽろぽろと涙があふれる。
胸の奥が苦しくて。
気づいてあげられなかったことが悔しくて。




そ「A……、幸せになろうよ…。
一生、共に暮らそうって練習で俺言ったじゃん。あれ、本気だったんだからな?」





そ「……………Aっ…………」






「……………そ、らる………さん…」





そ「Aっ!!」



「私は…いい、奥さ…んに、なれ、ますかね」



そ「なれるさ。Aじゃなきゃ嫌なんだ。Aじゃなきゃ………」



「…ふふ…………嬉しいです、最後に…そう、言ってもら、えて………」



そ「Aっ、最後だなんて言うな…!」



「そらるさん………約束して、くださ、い」





ほら、また君は急だ。
それを受け入れてしまう俺も俺なんだけどな。




そ「なんだ?」



「…夫婦修行……、役に、立ててくだ、さいね
あの、プロポーズな、らどん、な人でも
受け、入れてくれ、ますから………」



そ「A………」



「そら、るさん…私は……幸せですよ」



綺麗な笑顔を見せないで。
止めれなくなる。

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しゃけご飯(プロフ) - 夢主ちゃんが倒れた時、思わずえっと呟いてしまいました。短編の小説の中で作者様の言いたいこと、伝えたいことがよく分かりました。親戚の方のご冥福をお祈りします<(_ _)> (2019年5月17日 0時) (レス) id: 459be71871 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Sugar | 作成日時:2019年5月6日 21時

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