恋と笑いは紙一重２【芸人短編集】

三角関係 【ペンギンズ】 ページ12

瀬良子さんのリクエストです。





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あがり症で、人見知りで、大人しくて存在感なんて全くない私をお笑いの世界に誘ってくれたのは、高校からの友人だった。




相方「ねぇっ、後でペンギンズにネタ見てほしいって言われてるんだけどAも行く？」


『えっ…、私？えっと……実はマネージャーに呼ばれてて……。』


相「そっかぁ。じゃあ、私だけで行ってくるから！」


『うん……。』






私は作り笑いを浮かべて、楽屋から出ていく彼女を送り出した。ペンギンズとは同期で、前から仲良くしている芸人さんだ。前は普通に会ってたんだけど、段々私だけは距離を置くようになっていた。アニキさんへの気持ちに気付いてから。







『私も行きたいなぁ……。』





一人寂しく呟いた。さっき私も行くと言えば良かったものの、そんな勇気は出ずに今日も一人ぼっちだ。私も行けば、アニキさんと話せたかもしれないのに。


すると、ガチャりと楽屋のドアが開いた。私は驚いて振り返ると、そこにはノブオさんがいた。あれ……、確かネタを見てもらうんじゃ…。





『ノブオさん？ネタを見てもらうんじゃないんですか？』


ノ「そうだけど。あれ？澤井は？」


『相方ならもう行きましたよ？』


ノ「んだよアイツー！いっっつも俺らが呼ぶと寄り道してフラフラ来て約束した時間に来ねんだからよぉ。また俺が探すハメになんじゃん。」


『相変わらず、仲が良いんですね。私も相方みたいに明るくなりたいなぁ。』






私も相方みたいに陽気な人になれたらと、つくづくつくづく思う。するとノブオさんは頭をボリボリとかいた。





ノ「正直言って俺は大人しくて上品なAでいてほしいけどな。」


『……え？』


ノ「AはAのままでいんだよ。そんなおお前が好きなんだから。」






ノブオさんはさらりとその言葉を口にした。え？ノブオさんが私を……す、好き？頭を傾げていると、ノブオさんは「あー！もう！」と叫んだ。





ノ「今のは聞かなかった事にしてくれ!!」






そういうと、ノブオさんは急いで楽屋を出ていってしまった。私は声がかけられず、その場に立ち尽くす。






私の事が好きだというノブオさんと、アニキさんが好きな私。

この三角関係、どうやって解決すればいいんでしょう。

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