発覚 ページ35
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前回までのあらすじ。世間は狭い。以上。何人かの顔見知りと目が合う。同じクラスの真田と柳、柳生、体育で一緒に走ったジャッカル君、いつぞやの行き倒れ、中庭で会った美人さん、サボり魔だ。まだ頭の中の整理が出来てないが、直感でここに来た事を後悔する自分がいた。
「お前!この前の!」
赤髪が立ち上がって私の元に駆け寄ってきた。今日は元気だな。あの時の行き倒れの印象しかないからちょっとびっくり。それに続いてサボり魔もこちらに来た。
「行き倒れ…」
「行き倒れって言うな!でも、あん時はマジで助かったぜ。サンキューな!」
「くくっ、行き倒れ…ブン太の命の恩人って事か」
「笑うな仁王!」
「プリッ」
顔見知りと顔見知りが知り合いっていう妙な光景を目の当たりにしてなんとも言えない気持ちになっている。若干落ち着かない気持ちでいると、見かねた柳と柳生もこちらに来てくれた。うわ、この2人見ると安心…。
「珍しいな八神。お前が屋上に来るなんて。」
「柳に柳生…」
「あぁ、図書室が会議で使われるからですね?」
「うん、今日は天気も良いし屋上でもいいかなと思って…っていうかなんなのこの集まり」
柳が顔広い事は知っているが、これ程私の顔見知りばかり揃っていると本当に私のストーカーなんじゃないかとあらぬ心配をしてしまう。
「部活の集まりだ。」
「部活?…あ、剣道部の真田がいるって事は剣道部の集まり?」
「む?俺は剣道部じゃないぞ?」
「え、そうなの?絶対剣道部だと思ってた。」
「それわかるわー!武士みたいだろ?」
「うん」
居合斬りとか絶対似合うよ彼。あと切腹…はダメだ、勝手に真田を殺してしまうところだった。頭の中で真田に武士の格好をさせると、想像の中なのに似合いすぎて生まれた時代を間違えたんじゃないかとも思えてきた。
「俺達テニス部のチームメイトなんだ」
「……ん?」
美人さんが発した言葉は決して大きい声ではなかったが、確かに私の耳に届いた。え、テニス部?
「テニス部って…」
「ん?どうかしたかい?」
「…柳、」
「?」
「ここにいる人、全員テニス部?」
「あぁ」
「………」
テニス部の噂を聞いたのと関わらないよう意識し始めたのがつい最近の話。確かに誰がテニス部という情報は持ち合わせていなかったが、まさか関わってるとは思わないじゃないか。テストでいう点Pみたいなものじゃないか。交じり合わないと思うじゃないか。
(問題)
(私はいつから詰んでいたでしょう?)
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otohsun08050054(プロフ) - ヤバい!めちゃくちゃ面白いのですが!もっと早くこの作品に出逢いたかった(>_<) (2020年7月28日 9時) (レス) id: 736f999e12 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - もんたろさん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉をいただき感激です…!不定期更新ではありますが、完結までお付き合いいただけると幸いです(´ー`*) (2017年12月2日 0時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
もんたろ(プロフ) - テニス部の私生活?って言うんでしょうか…それがなんだか自然体って感じですごく好きです。登場人物達の雰囲気が皆やわらかくて読んでいてほっこりします。更新頑張ってください! (2017年12月1日 23時) (レス) id: 47cdc4e065 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - 和堂 桜さん» コメントありがとうごさいます!1つの話で詰め込みたい内容が多すぎて今みたいな感じになっております…。アドバイスいただいた内容を参考にしながら徐々に改善していこうと思います!ご指摘ありがとうございました(´ー`*) (2017年11月26日 1時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
和堂 桜(プロフ) - 内容は魅力的なんですが・・最初の方から、「」以外の説明?みたいなところが文字がつながりすぎて読みにくいです・・。改行?とか空白を多くすると読みやすくなるかと・・すみません!!もったいないなーと思いまして!! (2017年11月25日 20時) (レス) id: 5cbf3e7e7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渡邊 | 作成日時:2017年10月6日 18時