【ワールドトリガー】ボーダーに入隊したくなかった系。

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米屋さんの発言を聞き間違えだとした後、ラウンジへと向かう。
やべぇよ呼ばれちゃったんだよ、あの実力派エリートに。明日骨折する未来でも見えたのかもしれん。勘弁してくれ。

昨日の夜(何故か知られている)電話越しに「明日、ラウンジに来てね」と一方的に言われて切られた。色々ツッコませてはくれないのね。

やっぱりラウンジは地雷だ、と変わらない後ろ姿に声をかけた。





「こ、こんにちは」


「ごめんねー、いきなり呼び出しちゃって」





「久しぶり」と笑う迅さんは相変わらずぼんち揚を片手に持って、やはりすすめてくる。そして断れずに食べる。美味しい。

椅子に座るの始めてですかというほど、座るのに手間取った。なんでだよ。生まれてから何年経ってんだ！！！ガチガチに緊張しすぎだろ。

私が座ったのを見て迅さんは「そうそう」と話を切り出す。大丈夫か？それ怖い話に繋がってない？？？





「最近頑張ってるって聞いたよ」


「は、はい…………頑張らないと強くなれませんから」


「………そっか」





…………マズい。何かやっちまったかもしれん。すごい迅さん悲しそうに見える。
見えるだけかもしれないけど。なんなら気の所為のほうが山田は嬉しいんだけどなぁ！？そんな訳ないよね知ってたよ！！！これが嘘なら演技派すぎるだろ！！！迅さんが悲しいとみんな悲しくなるわッ！！！

つれぇよ、これどうすれば正解なんだよ、と手をわさわさと動かしてたら迅さんがフッと笑って話を続けた。待って普通に人が倒れるレベルの笑い方。周りに誰もいなくて良かった。





「Aちゃんはこれからも努力を止めることはないと思う」





「周りが止めても」伏し目がちに言ったかと思えば、すぐに目が合う。

指を曲げることすら許されないような視線と空気に口からヒビだらけのハートが出そう。助けて。





「おれの周りにはそういうやつばっかいるから視なくてもわかる。Aちゃんは特にメガネくんと同じだ」





だから、ボーダーでたくさん仲間を作って、友達も作って大事な人たちに囲まれていてほしいんだ。

私の耳が可笑しくなければ、迅さんからの言葉は忠告ではなく願いのように聞こえた。

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