【ワールドトリガー】ボーダーに入隊したくなかった系。

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「あ、ボーダー隊員！」「ねぇ、嵐山さんと会った！？」いや嵐山さんに会ったら友達に捻り潰される。

そりゃあもうたくさん質問された。自己紹介でもこんなに質問されたことない。
愛想笑いしすぎてまだ痙攣してるわ。

帰り道を歩きながら頬をグリグリと回してたら、サイレンが流れた。音でっか！！！放送機近いなら看板に近いって書いて。

親に連絡しないと………………ぇ？





「マジで……………?」





近界民が目の前に来たんだが？？？
ここは禁止区域じゃないぞ！？迷子ならボーダーに言って！！！

最近鬼ごっこしたじゃん！！！もう本当に足千切れるって！！！





「あれ！？ボーダーに連絡って何番！？どれ押したら繋がんの！？」





そもそもボーダー電話番号ないんだっけ！？
ヤバいヤバいヤバいヤバいと来た道を走りながら戻る。

周りの人達の恐怖の声が耳に入ってくる。





「ボーダーは何してるんだ！！！」





誰かがそう言った。
ごめんなさい！！！あなた達と一緒に逃げてます！！！
いや正確にはまだボーダー隊員じゃないんですけどね！？

それでもたくさんの人の怯えた表情を見たら、心臓が変に鼓動した。
痛くて、イライラして、悲しい。





「(あ……………)」





何でそうなるのか分かった。
何も出来ないからだ。

そう理解すると同時に近界民に突っ込んで行く。

私は主人公なんかじゃない。ただトリオン量が多いだけのモブだと自分でも思う。

ただ今だけはモブとしてではなく、この世界で生まれた山田Aとして。
山田AはC級ボーダー隊員。だから皆を助けたい。





「ッラァ！！！」





幸い近界民は一匹しかいなくて、スライディングして近界民の下を通れた。何で出来んの？？？私スゴッ。

近界民はトリオン量の多い人を狙うはず。それに、あれ確か捕獲用のバムスターだよね？
違ったらめちゃくちゃ困るんだけども。

お、良かった着いてきた。
腹を括ったからなのか、感情が一周回ったからなのか冷静になってる。

終わった後の反動については考えたくないです。

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