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Episode143 ページ44

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「っ、ぐっ」
「悪いけどあんたに殺るつもりが無くても、私は殺らせてもらうから」


奈那が、両手で私の首を絞めた。呼吸ができなくなって、私は細まる目で元親友を見つめる。こういう、トリオン体で外傷がない場合、どうなるのだ?換装が解けないまま気絶するのだろうか。そもそもトリオン体って何が必要なんだっけ、酸素っているんだっけ……


「……っ、めてお、ら」


本当なら短い間くらいは呼吸ができなくとも平気だったはずなのに、このときの私は錯乱していて。ただし首を抑えられて物理的に声が出せなかったことは事実なので、反撃しようと、やっとの思いで声を絞り出した。それはどうやらトリガーに認識されたようで、私の手のひらからはメテオラが見事に放たれた。それは元親友の右肩に命中して、右腕を堕とした。


「何だ、結局やる気じゃん」


後ずさって、左手で武器を手に取りながら奈那が笑った。私も木から離れてそいつと距離をとる。ああ、どうしてこんなことになったのか、私はただあの頃のように、また二人で笑い合いたかっただけなのに。特別なことなど何も無くても、ただ一緒に居たかっただけだったのに。


「……ッ!」


数秒の間のあと、元親友が地面を蹴って私に接近してきた。利き手でない左手での攻撃は不安定で、かわすことは容易い攻撃だった。


だったが。


ザクッ


ぽすっ


「ーー?」


胸に、ブレードが突き刺さった。傷口からトリオンが漏出した。懐かしい親友の香りをすぐ近くで感じた。昔より大きくなった体をそっと包み込んだ。そっと背中に手を回した。


「どういうつもり」


そんな奈那の声を聞いても、ぎゅっと抱きしめる手に力を入れるだけだった。


「アステロイド」


そのまま私はそれを放って、奈那の体に弾丸を集中砲火した。当然この距離なので自分の体にもいくつか穴があく。何をしているのだと、そう言いたげな奈那の目が私を捉えているのが分かった。ピキ、ピキと奈那の体にヒビが入っていくのと同時に、自分も胸の傷と弾丸によってあいた穴からトリオンが漏出しており、次第に元親友と同じようにピキピキと音を立て始める。


『トリオン体活動限界、換装を解除します』
『トリオン体の損傷を確認、換装解除』


そこに残ったのは、ただの二人の人間だけだった。

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亜桜(プロフ) - 緋色さん» ありがとうございます(;▽;)更新頑張ります! (2019年1月21日 19時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - 続きが気になりすぎる!!!面白すぎてヤバイです!!更新頑張ってください!応援してます!!!! (2019年1月20日 21時) (レス) id: 076cc2dab4 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - twice MOMO,loveさん» 長編にも関わらず全て読んでいただけて本当に嬉しいです(;ω;) できる限り定期的に更新していきたいと思います! (2018年12月11日 11時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
twice MOMO,love - とても面白いですっ! いっきにすべてのお話し読みおわってしまいましたッ! これからも頑張ってください!( v^-゜)♪更新お待ちしています! 長文ひつれいしました (2018年12月10日 17時) (レス) id: cfa0ae033f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - アヤカさん» ありがとうございます!!( ;∀;)がんばります!! (2018年11月25日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜桜 | 作成日時:2018年10月8日 12時

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