Episode119 ページ20
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宇佐美ちゃん、米屋、三輪、奈良坂、出水、そして私。私たちは同い年ということもあり基地でも割と話す仲になっていて、こうして突然相席しても会話は弾むものだった。
「三輪まじで三門第一行くの?」
「ああ」
生憎私たちは全員受験生で、話すのは進路のこと。まあボーダーにはありがたいことにボーダー推薦というものが存在するので勉強に追われているような人物はこの中にはいないが、進学という新たな門出について語りたくなるのが十五歳という年頃の性だろう。三輪が賢いのに進学校には行かないと言うので、私は本当なのか確認を取ってしまった。
「ふーん。じゃこの中で六頴館行くの宇佐美ちゃんと奈良坂だけか」
ボーダー推薦は、三門第一高校と六頴館高校という二つのボーダー系列の学校への進学に利用することができる。試験を受けずとも入学できるのだ。そうは言っても六頴館高校の方は進学校に値するため、それなりの成績や努力が必要になる。対して三門第一の方は、言ってしまえば太刀川さんのような勉強をしない人でも進学が可能だ。もはや魔法である。
「えー、陽介いずみん亜桜ちゃんのやんちゃトリオと三輪くんが一緒にいるとこ想像出来ないよー」
「やんちゃトリオって何だ」
宇佐美ちゃんの発言に米屋が間髪を容れずにツッコミを入れる。やんちゃトリオではないが、確かに私たち三人と同じレベルの学校に三輪が居るのは違和感がある。
「言っとくけどおれはこいつらと違って馬鹿じゃねーからな」
「は?私出水より文系の成績はいいけど」
「オレ馬鹿じゃねーし!」
米屋の反論は無視。私とて米屋と一緒にされては困るものだ。出水はまだしも米屋は勉強というものと相性が悪すぎる性格らしい。
「陽介、少しは勉強しないと推薦では入れてもあとがきついぞ」
「そんなこと言うなよしゅーじー」
「なるほど、留年か」
「ちょっと奈良坂くん?」
三輪に奈良坂、この賢そうな人達がどうやって米屋と親しくなったのかは皆目見当もつかないけれど、この三人は結構仲がいいと思う。まあ、米屋のコミュニケーション能力ならどんな人とも親しくなれそうではあるが。私が太刀川隊で時を過ごしてきたように、米屋は米屋のコミュニティで同じ時間を過ごしてきたのだろう。
「まー太刀川さんがいけたなら米屋もいける気はするけどね」
私がそう言うと、「確かに」と出水が共感してくる。「あの人そんなにやばいのか」と三輪が意外そうに呟いた。太刀川さんは喋ってみるまでは結構賢そうに見えるんだよね。
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亜桜(プロフ) - 緋色さん» ありがとうございます(;▽;)更新頑張ります! (2019年1月21日 19時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - 続きが気になりすぎる!!!面白すぎてヤバイです!!更新頑張ってください!応援してます!!!! (2019年1月20日 21時) (レス) id: 076cc2dab4 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - twice MOMO,loveさん» 長編にも関わらず全て読んでいただけて本当に嬉しいです(;ω;) できる限り定期的に更新していきたいと思います! (2018年12月11日 11時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
twice MOMO,love - とても面白いですっ! いっきにすべてのお話し読みおわってしまいましたッ! これからも頑張ってください!( v^-゜)♪更新お待ちしています! 長文ひつれいしました (2018年12月10日 17時) (レス) id: cfa0ae033f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - アヤカさん» ありがとうございます!!( ;∀;)がんばります!! (2018年11月25日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜桜 | 作成日時:2018年10月8日 12時