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Episode061 ページ12

米屋side



今日のオレはだめだなと、目の前の光景を見て思う。
秀次の機嫌が悪くなることは分かっていたし、情緒不安定になることも目に見えていた。だがやはりオレには秀次の気持ちをどうこうできるわけもなくて。


「大体なぜお前が入ってくる、俺がどうしようと俺の勝手だろう」
「しょうがないしでしょ体が勝手に動いちゃったんだから!」


亜桜は、秀次とそんなに親しくない。あまり基地でも会っていないだろうし、まだまだ初対面みたいなものだから。そんな亜桜が、秀次に素で接した。いつものように声も顔も作らず、口調も普段通り。この状況でそんな余裕が無いだけだろうが、オレにとっては十分びっくりすることだった。


「もうやめなよ三輪、米屋に八つ当たりしたってお姉さんは、」
「っ、言うな!」


瞬間秀次は弧月をバッと振り下ろして、声を荒げる。あれ、コイツ、なんで秀次の姉ちゃんがあの日殺されたって知って……?


「………お姉さんは、もう帰ってこないよ」


それでもその言葉を言い放ったソイツを、秀次は泣きそうな顔で見つめた。ぐっと弧月を握る手に力が入っていた。


「お前のような奴に……っ!ネイバーに何の恨みもないお前のような奴なんかに……!」


秀次は声を震わせていた。やはり命日ともなると、絶対にいつも通りではいられなくなるんだろうと分かっていた。分かっていたのにオレは秀次にしてやれることなんて何も無くて、オレなりに考えた結果、八つ当たりされることがいいんじゃないか、って。アイツのやり場のない怒りを、ぶつける場所になることが、オレの出来ることなんじゃないかって。


「わかってる、」


亜桜はさっきより小さな声でそう呟き、秀次は言いすぎたかと焦って亜桜を見つめる。


ふわっ


オレは目を見開いた。


「三輪のそれに比べたら私のこれなんか全然なんてことないって、私なんかに三輪の苦しみが分かれるわけないって、」


亜桜は、今にも泣きそうな秀次の右手を、そっと両手で覆った。子供をあやすように、柔らかく。それはただ単に、あいつの苦しみを分かろうとする亜桜の優しさだった。


「でも、三輪は一人じゃないじゃん」

 
亜桜の行動を見て、ああ、オレが考えつかなかった、他の方法があったのかもしれないと思い知る。秀次の思うままにストレスのはけ口になって、気が済むまで武器を握らせて。それって、ほんとに秀次のためになるだろうか。


「お姉さんのことは辛いけどさ、こうやって付き合ってくれる米屋も、スナイパーの東さんとかも世話焼いてくれてるんでしょ」


オレはトリオン体の換装を解いた。

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亜桜(プロフ) - 深未さん» つけてないですよ〜! (2019年12月18日 8時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
深未 - 夢主ちゃんバックワームつけてないの?笑 (2019年12月18日 0時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 霧月さん» そんなに嬉しいお言葉を頂けてうれしいです(T^T)続編更新致しましたのでそちらもよろしくお願いします! (2018年10月8日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - とても面白いです!!夢主ちゃんの性格も大好きです!!更新楽しみにしてます(≧∇≦*)大変だと思いますが、頑張ってください! (2018年10月8日 0時) (レス) id: 77a041f6c8 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - R.Oさん» ありがとうございます(T ^ T)がんばります!! (2018年8月22日 16時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜桜 | 作成日時:2018年6月15日 17時

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