Episode034 ページ35
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「いや悪りーな圧勝しちまって」
「だまれ弾バカ」
結局三本目も負けて、結果は出水のストレート勝ち。ムカつく笑顔が目の前にあった。私は自分で思っていたよりも単調な動きをしていたらしい。
「てかあんだけ読めるくせに何でこの間のランク戦は私に四敗したわけ」
さっきのゲーム、完全に出水に行動を読まれていた。だから攻撃を当てることもできなかったし、逃げたつもりでも逃げる先まで予測されて攻撃を当てられてしまった。しかし数日前に出水と戦ったランク戦は、十本勝負で結果は６ー４で私の負け。負けたことに変わりはないが、ここまで私の動きを読める出水なら一敗もせずに勝てたはずだ。
「あー、確かにそうなんだけどさ」
「それも無自覚か。いいか？まずこの間の十本の勝敗思い出してみろ」
出水がかりかり自分の頭を掻いて、そして訓練室の外から太刀川さんがそう言いながらやって来た。私は先日の十本勝負に思いを馳せる。確か、四本目まで全敗して、五本目で一勝して、次はまた負けて、七から九本目で三連勝して、最後にまた負けた。
「お前は最初に負けた四本で出水の殺り方を学習して、五本目で勝てたんだよ」
「んでまた六本目でおれに負けて、そこで見えた課題をクリアしたから、そっから三連勝」
自分より自分のことを分析できてる人が二人もいて、私は開いた口が塞がらなかった。つまり戦いの中で、負けから学んだことを実践して一勝目を勝ち取ったと。そしてさらに六本目で負けてそれも経験値にして……
「お前は格上相手には長期戦が有利なわけだ。だから出水はさっき五本勝負を持ちかけた」
「十本にしたらストレート勝ちできないから？」
「バレたか」
それを全部分析した上で短期戦にするなんて、出水公平とは本当にずる賢い男だ。
「私、戦いながら学んでいくタイプ？」
「Ｂ級ランク戦は一回負けたら終わりだからそんなん意味ねーけどな」
「うっ……」
一瞬主人公のようでかっこいいじゃないかと思ったのだが、出水の返答を訊いて私は黙り込んだ。確かにB級は一回負けたら終わりで、負けを経験値にして成長する余裕は無い。負けないために、強くなる必要があった。私はやはりまだまだ未熟だ。
「出水、もうちょっと付き合って」
「オーケーオーケー、退屈させんなよ？」
とにかく、新しい動き方も勝ち方も、体に覚え込ませてやる。
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亜桜(プロフ) - 百瀬さん» ご指摘ありがとうございます！固定夢主の名前を変換しそこねていたようで……大変失礼しました;;気付いたところから修正していきます。 (2023年1月5日 0時) (
レス) id: 8ae19fe800 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬 - 途中途中で名前が"紗雪"になってますよ〜！ (2023年1月3日 12時) (レス) @page47 id: 6aa4d6dc2c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 柊那さん» ありがとうございます(´;ω;`)修正多めのマイペース更新で申し訳ないですが頑張ります！！ (2018年5月18日 13時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - 面白かったです！続き楽しみてしてます。更新頑張ってください( -`ω-)b (2018年5月18日 2時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 藤見日和さん» わざわざ有り難うございます！！わがままな作者で申し訳ないです（汗）必ず戻ってきます…！ (2016年11月24日 20時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2015年8月5日 16時
