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Episode029 ページ30

出水side



ライバルがランク戦を毎日バカみたいに詰めているせいで、追い抜かれないようにおれもランク戦を詰める。そんなこんなでそろそろB級昇格も目前、といったところで順調なはず……だけど、そのライバルが調子を上げてきている。


亜桜 ××××○×○○○×
出水 ○○○○×○×××○


「あっぶね……」
「あーー惜しいとこまで行ったのに」


亜桜は中距離が苦手で、射手であるおれはいつも結構な差で勝っていた。でも今日は六対四の接戦。しかも中身もわりとギリギリだった。最近おれの動きを読んでくるようになったし、サイドエフェクトも少しずつ制御できるようになってきたそいつは、以前より明らかに実力を上げてきている。


「なんか戦い方変わったよなー。感覚派は変わんねえけど」


今までの亜桜の戦い方は、とにかくがむしゃらに突撃する感じだった。だけと今は、敵の出方とかを予想したうえで流れに身を任せてる感じ。超感覚派だったのが、感覚派になったぐらいの少しの変化だけれど。


「迅さんが言ったから変えてみた」
「あのときのお前面白かったよなー」


おれと亜桜の戦績のパネルを見上げた米屋が、亜桜を見て笑った。何のことかすぐに理解したおれは、「確かに」とそいつに便乗する。憧れの人を前にしたこの女は、最高に面白い様子だった。


「いつになく高い声出してさ、あれはウケた」
「猫かぶりすぎなんだよお前」
「てか、最初おれに会ったときも声高かったよなー。口調もなんか違かったし」
「うるさい癖なの悪い!?」


睨みながらそう声を荒らげる亜桜に対して、おれは「悪くない面白い」と返事をした。隣の米屋もケラケラ可笑しそうに腹を抱えている。


本当、初めて会った時は亜桜がこんなことを言う奴だとは思わなかった。


それに、最近は更に毒舌度が増している気がするし。人間はきちんと関わってみないと分からない内面があるのだなと痛感させられた。


「初対面の時の声でもっかい話してみ?」
「しね」
「口悪い女は嫌われるぞ」
「よかったじゃん弾バカ。こいつが暴言吐くってことは、信頼してるっつーことだから」


米屋が解説するように発言すると、不服だったのか「はあ?」と亜桜が米屋を見上げる。「そーなの?」とおれは亜桜を見ながら米屋に問いかけてみた。これ、本当だとしても相当可愛げないぞ。


「仲良くなると雑くなるタイプだから」
「あー。ほんとかわいくねー」
「悪かったな!」


なんとも微妙な気分だが、まあ亜桜からの親しくなった認定を受けたことに関しては嫌な気はしていなかった。

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亜桜(プロフ) - 百瀬さん» ご指摘ありがとうございます!固定夢主の名前を変換しそこねていたようで……大変失礼しました;;気付いたところから修正していきます。 (2023年1月5日 0時) (レス) id: 8ae19fe800 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬 - 途中途中で名前が"紗雪"になってますよ〜! (2023年1月3日 12時) (レス) @page47 id: 6aa4d6dc2c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 柊那さん» ありがとうございます(´;ω;`)修正多めのマイペース更新で申し訳ないですが頑張ります!! (2018年5月18日 13時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - 面白かったです!続き楽しみてしてます。更新頑張ってください( -`ω-)b (2018年5月18日 2時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 藤見日和さん» わざわざ有り難うございます!!わがままな作者で申し訳ないです(汗)必ず戻ってきます…! (2016年11月24日 20時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜桜 | 作成日時:2015年8月5日 16時

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