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暴かれる愛の正体 ページ24

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「お、Aじゃねーか」

本部の廊下を歩いていれば古株で顔の広い彼女は色んな人に声を掛けられる。今日も例に漏れず声を掛けられ振り返れば彼女を可愛がる2人が立っている。

「ゆばのの!」
「おい小鍛冶、人を呼ぶ時はセットにすんじゃねェ」
「へへ、弓場さんとののさん!」
「おう」

弓場は満足気に腕を組んだ手を解き、彼女のアタマを撫で回した。ボーダー隊員はことある事に彼女の頭を撫でる。泣き虫ですぐに泣いてしまう彼女を慰めているうちについた癖が、今では習慣になりつつある。彼女も彼女で満更でもないため振りほどくことは無い。

藤丸はそんな様子を見ながらちゃんと食べてるのか、と決まったように生活の様子を聞く。これもまたボーダー隊員が彼女に対してよくすることで、彼女は過去一度だけ健康補助食品だけで食事を済ませててぶっ倒れた経歴がある。その件を皮切りに、木崎は少し過保護になるし同じ寮に住むメンバーは頻繁にご飯に誘う。会えば彼女にちゃんとしたご飯を食べてるのかと聞く。これもまた習慣の一つになってた。


「おめえ泣き虫治ったんかぁ?」
「泣き虫じゃないですけど!?」
「まだ治ってなさそうだな」
「ののさん!」
「藤丸やめてやれ、また泣いちまうだろォが」
「弓場さん!!」

ギャンギャン騒ぐ彼女を嗜めるわけでもなく2人は頷き合う。同じ19歳でも迅みたいに飄々としてるわけでもなくて、生駒みたいに可愛いと延々褒めるわけでもなく、弓場と藤丸は兄貴姉貴の性分のせいか彼女の成長を見守る目線が多い。嵐山や柿崎も兄貴性分であるには変わらないが、いかんせん弓場も藤丸も気合いの入った人物だ。過去、弓場と藤丸と今みたいに3人で話していたら事情を知らない別役がカツアゲと勘違いした事件があった。


「そういやおめェーもう高校2年生になんのか……」
「はえーな。アタシらも20になんぜ」
「えー!私弓場さんとののさんとお酒飲みたい!」
「馬鹿言うんじゃねェ、未成年とは飲まねェし大体酒は飲むな。体に悪ィ」







■ 弓場
初対面で泣かれて以降Aが慣れてくれるまで人形持ってしゃがんでAと話してた男。マジでヤ……の人だと思われてたことが地味にショックだった。藤丸といる時の父親感がすごいと19歳の中で話題に

■ 藤丸
初対面で弓場相手に泣いてるAに「アタシのダチだよ」と言い変に勘違いさせて弓場との仲を拗れさせたことがある女。飯食わねぇとデカくなんねぇぞ!(どことは言わない)




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作者名:40 | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年2月26日 0時

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