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不埒なパンザマスト ページ11

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「おひさしぶりで、こかじ先輩」

ひらりと手を振りこちらにやってきた最近本部の話題を独り占めしている彼ーー空閑遊真は烏丸に勉強を教わっている背中に声をかけた。
Aと空閑たちの邂逅はこれで2度目になるが、空閑の相手の懐に入る柔軟な性格はAとは相性が良いようで、Aもまた挨拶してくれた空閑の頭をわしゃわしゃと撫でながら久しぶりだねぇと返事をした。


「今日玉狛でごはん一緒に食べさせてもらいます」
「それはそれは。たのしい夕飯になりそうだ」
「一緒に食べるのはじめてだねぇ、ごはんたのしみ」
「……お前は先にこれ終わらせろ」
「空閑くんと喋ったからって嫉妬しないでよう」
「嫉妬する訳ないだろ」

Aの頭に参考書を落とし勉強に戻らせる烏丸を見て、空閑はなるほどと笑う。
烏丸は烏丸で空閑に気付かれているのを察したのか、形の良い人差し指を立てシィ、と合図する。


「こかじ先輩ソレ終わったら個人戦しようよ」
「おっやるやる〜空閑くんポジションは?」
「攻撃手。小南先輩に教えてもらってる」
「え、小南先輩が師匠なの?!怖気付いた〜」
「ちなみにとりまる先輩は修の師匠だ」
「きょんくんも師匠してんの?!」

ガタガタと立ち上がり烏丸に詰め寄るA。烏丸は役得だとは思いつつもどうどうと再度座らせる。元々勉強は得意じゃないAの集中力は空閑が来る前から切れかかっていた。もう勉強しても本人の頭に入らないだろうと思った烏丸は何も言わずに、空閑とAの会話に参加した。


「ちなみにこかじ先輩、さっきとりまる先輩は嫉妬して」「遊真」





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作者名:40 | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年12月3日 0時

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